表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

勿忘草

作者: 世田谷区民

会社から草臥れながら足早に改札を通る私。

また電話応対でやらかしてしまった。これで何度目だろう、数えられないほど失敗したのは確かだ。第一、私が出来ない事を知っていながら命令してくる上司が悪いのじゃないか、と私は思うのである。

そんな愚痴を帰り道、独りボヤいてみて不意に空を見上げてみる。「あぁ今日は15夜か、」今気づいた

子供の頃は小さい事にもよく気づけていたような

気がする。これも成長の一つの代償なんだろうか。

そんなこんなで、私は駅に電車が到着すると、会社

から逃げるように電車へ乗り込んだ。この頃ずっと

こんな毎日だ。他人に不干渉になるようにイヤホンを耳につけ、スマホという名の自分だけの世界に塞ぎこむのだ。

 乗車中、イヤホン越しにこんな会話が聞こえてきた。「お祖母ちゃん、椅子に座ってて」と。私は

元来、婆ちゃん子で母を早くに亡くした私には母のような存在だった。だからその孫を見たとき、私の子供の頃がフラッシュバックしてきたのだ。大切な人、別れ、夢や希望、忘れかけていたこと全てを。

私は一駅前で降り、急いで子供の頃に遊んでいた

となり町の空き地へと向かった。

昔とまったく変わらない、

変わっていたのは自分だけだったんだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 面白かったです。  社会生活に疲れた女性が自分を見つめ直す過程を、終始優しい視線で描かれていると思います。  ありがとうございました。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ