ラベリング効果
「私はダメな人間なんだわ……」
「どうした、工藤」
机に頬をつけてため息をついていると、桐原が声をかけてくれた。
「私って友達は少ないし、クラスに溶け込めないし……何をやっても空回りでうまくいかないのよ。なのに顔だけは派手だから、なんだか怖いと思われているみたいなの」
「それはラベリング効果だな」
「ラベリング効果?」
「自分でできないやつとレッテル……つまりラベルを貼っているんだ。そして〝派手で怖いやつ〟とラベルを貼られている。そのラベルに自分も人も思い込まされているんだ」
「そんな……どうすればいいの?!」
「まずは自分のラベリングを変えてみるといい。工藤は……そうだな、明るいしノリも良いし話しやすい。そういうラベリングでいいと思う。工藤は俺にとってはそういうやつだからな」
「……え」
桐原にとって私は、そういうラベリングをしてくれているの……?
やだ、なんで私喜んで……
「ポジティブなラベリングをすればいい方に変わるのもラベリング効果だ。でもやりすぎは思い込みになるだけだから注意だけどな。ともかく、工藤はダメな人間なんかじゃない。それは確かだ」
「あ、ありがと、桐原……」
私は今度は別の意味で机に顔を伏せた。
ーーー♡あやかメモ♡ーーー
*ラベリング効果*
根拠がないのに先入観や固定観念だけで決めつけて、人の行動や心理に影響を与える心理学的現象のこと。
自分にラベリングするのも人にラベリングするのも、今より少しプラスにラベリングするくらいがいいみたい。
あんまりポジティブすぎると、無理しちゃう・させちゃうってことかな?
でもまさか、桐原が私にあんなラベリングをしてくれていただなんて……もう!
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