『カフカ問題』
『カフカ問題』
㈠
カフカはかなりの長編も書ける。しかし、割と平易な文章である。『城』を読んだ時などは、速読ではあったが、何か感動を覚えたものだ。カフカと言えば、読んではいないが、村上春樹は確か、『海辺のカフカ』と言うのを、書いていた。影響の大きさを思う。
㈡
カフカにおいて、その問題を考えようとする時、問題なのは、余りにも問題がないことである。勿論、『絶望名人カフカの人生論』と言う本が出ているが、カフカは自殺はしていない。割と早く死去しているが、問題はないのである。
㈢
問題がないのが、問題、それがカフカ問題である。やはりカフカにも、もっと長生きして、良作を残して貰いたかったが、それは望みすぎというものだ。『変身』然り、『審判』然り、そして『城』然り、長編で速読しやすい、読みやすい、まさに、カフカには問題がない、と言う問題である。