平和の猫神、鏡餅を磨く!
惑星リシテアールの一角・・・
猫の王国キティルハルムと、エルフの宗教国家アトランティアとの国境近く・・・
温泉が湧き出ていて、全然堅苦しくない猫神リケ・ミケランジェロの神殿が、「聖地リケ・サンチュチュアリ」にある。
普段なら、観光客でごったがえしているが、正月は「休業」である。
彼女は、厳しい戒律を課さない女神である。
「にゃーははは!」
リケ神は、神殿の礼拝堂で、米の加工品「鏡餅」を磨いていた。
暖房がかかった暖かい礼拝堂で・・・
ステンドグラスが見事だが、リケ神は上座にある自分の神像の脇両サイドに「門松」を飾っている。
妙な「和洋折衷」だ。
「にゃーははは!」
丹念に磨く。
次第に輝いていく。
そうすると、さらに磨きたくなる。
ミケランジェロ一族の血故か・・・
彼女は、キティルハルム建国時に建国女王に仕えた家臣の直接の娘の一人だったが・・・
なぜ、「神」となったかは、置いておく。
職人一族の血が騒ぐ・・・
と、いうのも・・・
彼女は、母親が筋金入りの職人だったからだ。
「おっ!おおっ!」
顔が映る。
「す・・・すげえにゃ・・・
勇者ペルセウスは、鏡のような盾で戦ったというにゃ・・・
日本の神殿には、祭壇に鏡が捧げられていたというにゃ・・・
あちしの神殿に捧げられているブツは、鏡のような「鏡餅」!?
イケてるにゃ!」
「何、悪ノリしてんの!」
「にゃッ!?」
後ろを振り向くと、ヴィブリオが立っていた。
彼は、リケ神の夫である。
普通の「人猫」だ。
「い・・・いやあ・・・
「神」としてのあちしの「独自性」を出そうかと・・・」
「どうでもいいけど、「鏡餅」って、年末から年始にかけて飾るもんだよ・・・」
かなりシュールだ。
「普通、部屋に飾るもんだけどまさか、神殿の祭壇に飾るとは・・・」
しかも、テレビとコタツ付きである。
「にゃははは!」
ぽりぽりと頭をかくリケ。
ちなみに爪は出していない。
「しかも、鏡みたいに磨いて・・・」
「ヒマだったにゃ!」
周囲を見ると、神官たちが思い思いに過ごしている・・・
ティラノサウスの化身・テラは眠っているし・・・
ステゴサウルスの化身・ステラは収支資料をみている・・・
アロサウルスの化身・アロームは情報版(スマホのような機械)で、電子エロ書籍を読んでいる。
彼女は「エロサウルス」と呼ばれている。
ふと、テラが目を覚ました。
「また、磨いていたのですか・・・
まるっきり、「ミラーボール」じゃないですか・・・」