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夕方の廃校舎  作者: ごび
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名前は隠さなくてはいけない

小学生4年生である僕は家から10分程度の距離にある学校に通っています。


うちは母子家庭であり、母は夜遅くまで仕事をしているため、基本学校が終わっても1人で過ごします。


そんな僕の学校の隣には廃校、つまりは旧校舎があります。

この旧校舎には昔からの噂がいくつかあります。


旧校舎のトイレで排泄をすると必ず血尿や血便が出てしまうとか旧校舎付近で告白すると必ずフラれるなど…ふざけた内容なものだったりします。


しかし、一つだけみんなが気おつけなくてはいけないというものがあります。


それは旧校舎へ入った際には名札を裏返す、もしくはカバンの中にしまうという内容です。


霊的なものに名前を知られてしまうと4日間かけて恐ろしいことが起きるそうです。


1日目は夜0時に着信が来る

2日目は夜0時に家の前に動物の死骸が置かれる

3日目は夜0時にドアや窓を叩かれる

4日目は失明するや、腸閉塞を起こす。失語になるとたくさんの噂話があり、詳細はよく分かりません。



ここまでが噂話であり、そもそも旧校舎に近づかなければ大丈夫だとこの時は思っていました。


僕は相談できるような友達がおらず、むしろ周りとは距離があり、少し、いや、かなり浮いているような感じです。

そのため、クラスの連中にはよくからかわれていました。



そんなある日、クラスの上位ランクにいるタクミくんが学校終わりに旧校舎へ行こうと5人の男子で話していました。

僕は知らない顔して帰ろうとしましたが、呼び止められ、

『もちろん、来るよね?』と威圧的に言われました。


そんな僕は断れず、旧校舎はみんなと行くことになりました。この時は気づいていませんでしたが、この5人は元々僕だけを旧校舎へ行かす予定だったそうです。



旧校舎へ着くも鍵などは開いていませんでした。

そのため、入らなくてもいいと僕は内心ホッとしていました。しかしタクミくんたちは何がなんでも僕を生かせたいため、裏口の窓を割ってしまいます。


その割った窓から僕だけ入るように命令されました。

僕には拒否する権利がなく渋々入りました。

入る前にタクミくんは僕に小声で『名札はつけていけ』と言いました。 


もし、外したりしたら、次の日からクラス全員で無視すると脅してきたのです。


正直タクミくんは人気者であるため、僕なんて追いつめようと思えば出来てしまうのです。

それがわかるため余計に逆らうことができないと思いました。



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