結局、いくつになっても女は男を弄ぶ。
作者はただの中学生です
「こんにちはーっ、けんと君!」
彼女は小五の僕の弟の友達、りなちゃんです。どうやら弟と遊ぶ約束をしていたようで、ずかずかとうちに上がり込んできたのです。
「え? 遊ぶ約束してたっけ……」
……どうやら約束もしてないのに勝手にドアを開けてやってきたようです。まあ、いいでしょ。小学生なんて、みんなそういうもんなのです。
僕はそれまではこたつでゲームをしていたのですが、りなちゃんがきたせいでこたつから追われてしまったので少し腹が立ったというのはあります。
「ねえ、なにして遊ぶ? けんちゃんが考えていいよ!!」
あざといです。
「えっとー、トランプ!!」
「無理に決まってんじゃん。少しは頭使ってよ。だってさ、トランプってババ抜きのことでしょ? 前、ウチのお父さんと二人でババ抜きした時なんて、つまんなすぎてやばすぎだったよ。その時思ったの、『トランプって、三人で遊ぶものだ』って。ねえ、二人で遊んでも面白くない遊びをすんのはやだなあ、ってけんちゃんは思わないの? ねえ、けんちゃん?」
「そうだよね、ごめんね……。……あっ、じゃあ『魚釣りゲーム』しようよ。僕の部屋にあるから、とってくる? あれなら、二人でも楽しく遊べるよ」
「はあ? なに? 『魚釣り』? それ、おままごとでしょ? 幼稚すぎない? けんちゃん、脳みそで幼稚園通ってんだね」
「あ、じゃあ……ハリーポッターのDVDでも」
「もう、ウチ決めていい?」
お前がけんちゃんが決めていい、って言ったんだろ。僕と弟は同じことを思ったと思います。
「あ、うんいいよ……」
「トランプしよ、トランプ」
「え? いいけど、トランプって……、え?」
「ほら、早く準備してよ」
「…………」
「はあーー、バカなの? トランプっていったら『スピード』に決まってんでしょ。はやく、はやく」
「そうか、スピードなら二人でも楽しく」
「いいからはやく!」
「ごめんごめん」
「レディ……GO! しゅぱっしゅぱっ」
「は、はやい……」
「しゅぱっあたたたたーー!! ……オーっわったー!!」
「はやいなー。……じゃあ、そろそろ……」
「あ、ホントだもう六時。ん、じゃあね」
「うん、じゃあね。……ん、帰んないの?」
「ウチ、ハリーポッターのDVD見たいから。帰りたいなら、けんちゃんが帰って」
ここ、弟の家なんだけど……。
その後、りなちゃんはハリーポッターを見始めたけど、あきてすぐに帰りました。
弟は、楽しかったらしいです。
いやー、みなさんも、地雷女には気を付けてくださいね。
(特に何のオチもなく終わり)
連載してる「判決、異界流し」も、ぜひよんで。読者があんま伸びなくて悩んでるのです。
あとこの短編に星五をつけてね。