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剣仙の道場【五】

気付いたら総合ポイント200超えてました!ありがとうございます!ブクマ67件ありがとうございます!

感想も頂いて。とても嬉しいです!

引き続きこの作品をよろしくお願いします!

?そんな大きな戦争あったか?まぁ、政府の人間だし隠れてやっててもおかしくないか。


「なるほどなぁ。要するに剣仙より強いヤツが居てそいつが剣仙の息子って事か」


「そうじゃそうじゃ。まぁ伝えたい事はそこじゃないんじゃがのぉ?まぁ。今はそれでいい。じゃ、今日の模擬戦始めるかのぉ」


「おう!」


 ---


「はぁ...はぁ...はぁ....」


「ふぅ....お主も強くなったのぉ...二回に一回は負けてしまうわい」


 やっぱりつえぇ!それでも互角くらいか....。あれ?よく考えたら昔の俺なんであんな強かったんだ?こんなに技も教えて貰ってなかったし。なのになんで剣仙に勝てた...?まぁいいや。昔の俺は才能に溢れてた。


 それだけでいいだろ。


「お主もそろそろ家に帰らすかのぉ」


 そうじゃん!タイムリミットあるんだった!


「剣仙!いつ俺帰らされるんだ?!」


「んー明日で良いじゃろ」


 明日だと?!なんでこんなに行く時も帰る時も急なんだよ!まぁいいか。夏休みも残り一週間位だし。帰ってゲームできるって考えればありだな。


「じゃあ今日はもう上がるかのぉ。今日は坊ちゃんも道場生に指導するんじゃ」


 マジかよ。まぁいいか。がんばりまーす。


 ---


「な、なぁ...あの男が総帥と同じくらい強いって思うか?」


 少年が緩く木刀を振りながら少女に話しかける。


「ふっ...!ふっ...!素振り...!くらい静かにしなさいよ...!」


 少女は強く汗をかきながら返事をする。


「別にいいだろ?で、どう思うんだよ」


 この言葉を聞いて一度手を止め汗を拭いながら答える。


「そうね。見ただけだったら何とも言えないわ。私達世って人とやれなかったもの。何より総帥様の本気を見た事がないもの」


「確かに!それでも俺は総帥の方が強いと思うけどな」


 少女は考える。


 見ただけでもあの達世ってやつは相当強い。奥伝級でも一番強いかも知れない己龍が負けるんだもの。弱い筈がないわ。それでも見ている限りだと勝てそうだけどね。


「そこ!何をサボってるんだ!」


「「す、すいません!」」


 素振りし直そうと木刀を握り直すと襖が突き破れる。


 ---


 襖を突き破り飛んでいく。


「てめぇ!クソジジイ!騙しやがって」


 くっそ急に後ろから発勁なんかしやがって....!吹き飛んで襖破けてんだろうが!


「カッカッカッ。戦いで卑怯な手を使う者など山ほど居るぞ?」


 は〜?プッチーン。そんな事言っていいんか?お前はその卑怯な手を使う奴らに成り下がるんだぞ?しかも卑怯な手使ったのに負ける恥ずかしいやつになるぞ?いいんか?


「ほれほれ来なさい」


 はい。キレました。完全に糸切れちゃいました。


「おい!少年れ木刀貸してくれ!」


「え?は、はい。どうぞ」


 よっしゃ。本調子やって言いたいけど。俺二刀流もうダメかもしれん。一刀流の方が強い事に気付いてしまった。まぁ。使い慣れてるのは二刀流だから二刀流で行くけど...なっ!


 華瑠乃刄流。歩法奥義【縮地法拾水】。


 音を立てずに一瞬で間合いを詰め三連突き。その三連突きは傍から見れば一度突いたようにしか見えなかった。


「その技は沖田総司という剣士が使う技じゃの」


 え、そうなの?なんか本に書いてあったから真似しただけだけど。まぁ強いからいいや。気にするな。ハゲるぞ。


「じゃ、儂も」


 剣仙も縮地法を使い間合いを詰めてきて。三連突きをしてくる。


 今の縮地法は拾水か。技のオウム返しばっかりしてきやがって。俺の真似すんじゃねぇっよっと!


 木刀で殴りつけるが止められる。


「おいおいジジイ。んな怪力どこに入ってんだよ」


「さての」


 そう言って俺の腹めがけて蹴りをしてくるが後ろに跳び避ける。


「遅いなジジイ俺の方が速いぞ」


「カッカッ。試してみるか?小童」


 そう言って二人で打ち合う。避けて殴る受け止められる避ける。それを繰り返し続ける。


 くっそ....!はえぇ...!けど、力は入ってねぇな...!

 押し返せる...!


 前に出て剣仙を押し込む。


 よっしゃ!ここでぇ....発勁!


 剣仙が吹き飛ぶ。それを縮地ではなく普通に走り追撃するように切っ先を向ける。


 剣仙が木刀から手を離し両手をあげる。


「負けじゃ」


「うっしゃ!これで1321勝!」


「1400敗しとるがな」


「うるせぇやい!ったく...負けず嫌いな爺さんだ」


 後ろを振り向いて木刀を返すために木刀を借りた少年の所に歩く。道場の真ん中くらいに来た瞬間。


 カツンと木刀が飛んでいく音がする。


「これで。1412勝じゃ」


 こんのジジイ....!くっそ!普通に強いわ。マジで。いやでもこれは?不意打ちだからノーカウントでもいい気がしない。全くしない。負けたんだもん。


 飛ばされた木刀を拾い少年の所に行く。


「ごめんな。傷とかいっぱいついてたら」


「いえ!むしろ使っていただき光栄です!」


 ん?お?ん?おう。なんだか少し頭の情報が混み合ってるけど多分大丈夫だろ。


「今日は特別に儂と坊ちゃんの二人で指導をする!良いな!」


「「「はいっ!」」」


 うわーめんどくさ。


 ---


 そんなこんなで色々あったが家に帰る事になった。


「帰りは送らなくても大丈夫じゃろ。くれぐれも本気で走り過ぎて車は追い越さないように。そんな事をしたら注目の的になってしまうからの」


「わーってるよ!じゃあな!」


「またの。近いうちまた来るんじゃぞ」


「おう!じゃあな!」


 こうして俺の怒涛の日々(主に人体改造に近いなにか)に終わりを告げた。



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