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VS剣仙【二】

 無言の状況。だが、その会場はまるで怪物が襲ってきたような緊迫感と圧迫感があった。そしてその圧迫感の正体は会場の真ん中で相見える二人の剣士の剣戟。


 一人はフルプレートの重い鎧を身に付け。ひと目希少価値の高いもとだとわかるほど美しく綺麗な剣を振り回していた。


 それに対して相手は齢七十に届こうかという程の爺さん。その者が身に付ける装備はみすぼらしくは無いがとても簡素な物だった。着古されたどこにでもありそうな着物。武器はどこにでもある刀。


 だが、そんな装備に差があろうとも二人の実力は互角。剣と刀がぶつかる度に地面の砂が舞い上がって砂埃が散る。


 その戦いは戦いと言うには美しく。剣戟と言うには余りにも野性味に溢れ殺伐としていた。


 ---


 強いな…アーマー重い…脱ぎたい…脱いだら正体はバレるし脱いだ所で勝てない…!


 くそっ…身体能力超強化使ってんのに素の身体能力だけで付いてきやがって…!この化け物ジジイが…!


 ガキンガキンと剣と刀がぶつかり合う。

 傍から見ればまるで互角のように見えるがそれは間違っている。フルプレートの男はさっきから防戦一方。フルプレートの男がまるで同時に攻撃していると錯覚するほどの反応の速さで受け止めているのだ。


 くそっ…くそっ…マジかよ…!聖剣って使ってるだけで魔力(MP)使うのかよ…!今初めて知ったわ…!

 くそっ。くそっ。くそっ。気付くのが遅すぎた…!いつも通りのスタイルで戦うしかない…!


 フルプレートの男は後ろに飛び綺麗な剣を仕舞い二本の刀を両の腕に持つ。


「やっと本気でやる気になったのかの?坊ちゃん」


「ま、そんな所だ。爺さんもしかしてまた強くなったか?」


「少しだけのぉ…だがお主少し弱ったなぁ…もう一人の白い坊ちゃんももう居ないようだしのぉ…?」


 は?!おい!戻ってこいバカ!


『うるせぇよ!お前がむやみに聖剣なんか振り回すから消費魔力(MP)のカットしてやってたんだぞ!感謝しろバカが!』


 あ、そうなのそれは感謝…じゃなくて爺さん早すぎだろ!


「このげぇむは良いのぉ…自分の限界を超えて肉体が強くなる。お主はそれに頼り過ぎだがのぉ…?そこで提案なんだが儂の流派受け継ぐつもり…「ない!」


「それは残念じゃな。それじゃあ儂らも賭けをせんか?」


「内容は?」


「儂が勝てば現実で一度道場に来てもらう。お主が勝てばそうじゃの。儂の技術全てを教えてやろう。二刀流。一刀流。窩眼示現流(かがんしげんりゅう)華瑠乃刄流(かるのはりゅう)。儂の習得した全てだ。それを坊ちゃんに授けよう。お主が受け取った技術は二刀流と一刀流の技術の三分の一程度。更なる力が欲しいだろぉ?のぉ…坊主…?」


 剣仙…あんたイカレてやがるな…?


 そう思った時の俺の顔は自分ではあまり分からなかったが口角が酷く上に上がっているのを感じた。

 その行為が何を意味しているのかは誰も分からない。本人でさえも。


「のったぜ。爺さん。お前の力『俺達が盗んでやる』」


「カッカ!面白い二人でかかってこい小僧…!」


「『おいおい二人で良いのかよ…痛い目見るぞ…?』」


「お主はアリンコが何匹群れようと像が気にすると思うのか…?」


 そう言って爺さんは二本の刀を両手に持ち俺と同じ構えをする。


 そりゃ同じ構えか。アンタが教えてくれたんだもんな…。俺の刀は攻撃力が高いだけの刀だが耐久力が低い。一撃で決めるか?魔力(MP)を気にしなければ無限に戦えるんだが…そうしよう。魔力(MP)は無視だ。刀で決着をつける。


 ま、流石に身体能力超強化はさせてもらうけどな。


 足に能力を付与して地面を蹴飛ばし二本の刀で突きをする。


 その突いた刀は二本とも折れる。対して爺さんは刀が腰の鞘に戻っていて。一歩も動いていない。


 ま。そうなるわな。それを考慮した上での突きだっつぅの。


「『武器錬成(ウェポンアルケミー)!』」


 折れた刀が生えてきて剣仙に向かって伸びるが瞬時に捌かれる。だが腕にかすり傷を負わせた。


「その技は…?」


「『そりゃ悪手じゃろアリンコ。ってか?いかにもあんたみたいなのが言いそうだ…!』」


 俺は兜の中でニヤリと笑い腕を下に向ける。すると左腕は肩からボトリとずり落ちる。


「『は…?』」


「カッカ。これぞ剣の頂きに片足踏み入れた爺の境地だ。どれ?流派入りたくなったじゃろ?」


 ははは…俄然やる気が溢れてきた!絶対倒して技術は貰うぞ!


 魔力を節約するため超再生は使用しない。


 そして俺は右腕の刀を握り直し。右足を前にだしまるで抜刀するかのようにポーズをとる。


 それを見た剣仙はニヤリと笑い居合の構えをとる。


<韋駄天> <加速> <身体能力超強化> <超速度>


 全ての魔力を振り絞り居合をする。名付けるなら…


「『轟速の一刀!』」


真之刃流(まのばりゅう)。七奥義。餓龍の唸り。」


 豪風と刃がぶつかり合った音。それだけが会場に響き渡り()()()()()()()()()()()()の会場の壁が切れる。


「カッカ!坊ちゃん!約束は守ってもらおう!」


 フルプレートの男は倒れたまま返事をせず。会場に


 〈WINNER・ペンドラゴン!〉


 と表示される。


「カッカ!戦いに負け勝負には勝つか。面白い。やはりお主には来てもらう!」


「約束は…約束だ…この試合での勝利だけは貰っていくぜ…」


「儂は元々強き者を求め出ただけ。その者に会えた今そんな大会などというものはどうでも良い。ではなこの大会の後来てもらおう」


 フレンド交渉が来たという通知がなり俺は運ばれていく。




ペンドラゴン(たつよ)が勝った理由は剣仙がコロシアムを破壊したからです。


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