配信者クルトガ
長めです
ふぅ…やべぇヘッドギア付けすぎて変な汗のかき方してやがる。髪湿ってんなぁ。
俺は筋トレと走りを終わらせ食卓につく。
「お兄最近ゲームばっかりだよね。ご飯以外で下行くの見た事ない!」
少し怒り気味に霧菜が言う。
確かに。それは悪いが…
「お前も一緒にやるか?」
「私は受験生だから出来ないのに!嫌味?!嫌味なの?!」
霧菜ががたっ!と机を叩き立ち上がりながら焦ったように言う。
おいおい飯中に声がデカすぎやしねぇか?そんな怒るこたぁねぇだろ…ま、仕方ないか。思春期だし受験生だし。後で俺のりんごを切って持ってってやるか…
そしたら、今日はもう寝ようかな。これ食ってすぐに寝よう。闘技場は明日やろうかな…
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『はい!どうも!クルガトです!今日の動画はなんと生放送でボスを攻略していきたいと思います!』
少女がそう言うと大きな骨の四足歩行のトカゲが後ろから現れる
『あっ。ここはブレスの溜め動作から一秒半しか使わないので気合いで避けてくださいね!あぶね!ふっ!っと』
クルトガと自称する少女がひらりと技を避ける。装備がスカートで下着が見えそうになりコメント欄が盛り上がる。
『じゃあ、双剣乱舞決めていきまーす!』
双剣を持ち素早く走り出しぴょんぴょんと跳ね回る。モンスターからは切りつけたようなダメージエフェクトが大量に出てきて跳ね回るのはどんどんと加速していきエフェクトが増えていく。
『じゃあ!最後に!ユニークスキル放っていくよ!
<早送り>!<ジャミング>!』
<早送り>と言った途端少女が一気に加速し<ジャミング>と言って姿が消える。
クリーミー将軍:きたぁ!必殺コンボ!
さや遠藤:きた!
ザンギエフ田中:決まるぞ!
ジャキジャキとモンスターの体から斬られるエフェクトが増えていき。
『双剣乱舞四式!』
そう言うとモンスターの斬られていた場所がどす黒く変色していきドロリと溶けていく。
そして少女が唐突に姿を現しモンスターが消滅する。
『てことで!今回は亜人界北方面に出没してきたユニークボス【斬骸蜥蜴】を討伐しました!アーカイブは残すので是非宣伝してください!ではまた来週!』
少女がヘッドギアを外し起あがる。
「あ、今日お母さん居ないから代わりにご飯当番だった!やばい!たつにぃに怒られる!」
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「お兄最近ゲームばっかりだよね。ご飯以外で下行くの見た事ない!」
ゲームでご飯に遅れてきたおにぃをあくまで自分はゲームをしていないと装い少し叱る。
だがその後のおにぃの返答は以外のものだった。
「お前も一緒にするか?」
えっいいの?!と言おうと机を叩き立ち上がってしまった…
「私は受験生だから出来ないの!嫌味?!嫌味なの?!」
思わず怒ったように言ってしまった。兄は唖然としながら
「あぁ、そっか。ごめんな」
そう言って黙々とご飯を食べ始めた。
やばいやばいやばいやばい。嫌われちゃったかも…どうしようどうしようどうしよう…そうだ!明日は休みだから朝までファンの子達とおしゃべりしながらゲームしよう。そうしよう。
少女は初めて兄が怒ったような素振りを見せて戸惑っていた。その戸惑いはやがて気の迷いを引き起こし朝までゲームするという判断へと至った。
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『ねぇ、みんな聞いて?私今日おにぃ…じゃなかったお兄ちゃんに初めて怒っちゃったんだけどどうやって謝ればいい?』
ホリー:そのお兄ちゃん羨ましすぎる
プルーン卍:俺がお兄ちゃんだったらまず怒らせないかな
stone:普通に謝ったら?
グロウ:お兄ちゃんはどんな人なの?
『えーとグロウさん!お兄ちゃんはね!凄いゲーマーだよ!格神ってゲームで世界ランカーだったんだって!嘘かもだけどね!』
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「えっ?!クルトガちゃんのお兄ちゃんランカーなの?!知ってる人かも…!」
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フンターさん:げっ…格神とか…おにいさんガチのゲーム廃人じゃね…?
パラリラ×2:格神ランカーとか…人外やんけ…
アルト場:もしかしてゲームはお兄ちゃんに教えてもらったから上手いの?
グロウ:私もランカーだったんですけど知ってる人かも知れません。格神ではMOMONAという名前でした。
一度リアルでは諸事情で会えないんですけど…ゲーム内で会って話をしませんか?DM送って頂けると嬉しいです。
フォーマー:格神ってなに?
『そうそう!お兄ちゃんに教えてもらったの!ん?コメントが流れるの早すぎるよ…上に遡って…あったあった。えーと…了解です!グロウさん!後でDM送ってください!格神て言うのは…わかんない!ごめんね!お兄ちゃんが言うには凄い難しいゲームなんだって!』
クリマナル:僕もランカーですDMしませんか?
紳助透け透け:グロウずりぃぞ!
『あぁ!ごめんごめん!そうなっちゃうよね…ごめんね!グロウさんだけね!これからはもうしないから!ごめんね!』
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りんごも切ったし勉強中だろうからちょうどいいかな?
俺は2階に上がり霧菜の部屋にノックをする。
「なぁ…きり…さっきはごめんな。少しお前の事考え無さすぎた」
返事はない。
「なぁ…ん?寝てんのか?」
コンコンとノックを数回する。
いや…寝てるわけが無い。あいつは寝ててもノックがしたら飛んで起きてくる。
もしや…何かあったのか?!
「おい!入るぞ!」
扉を開け入ると。
ヘッドギアを付けてベッドに寝ている妹と髪がピンク色の少女が画面に話しかけているパソコンの画面だけだった。
この顔…きり?!あいつげーむしてんのかよ!
てか、配信?!配信中?!やべぇ…なんかわかった気がする…隠したかったんだな…。
俺は紙にごめんなと一言書いてりんごにサランラップをして部屋を出る。
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ふぅ…楽しかった。あっ!グロウさんにDMしなきゃ!
パソコンに近付き席に座ると。。。
そこにはごめんなと言う置き手紙とりんごが…
私の手は震え気付くとりんごをシャクシャクとたべていた。
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