謎の緑髪と装備新調の依頼
「あれ?俺以外にも客来たんだ」
緑髪の前髪をかきあげ襟足を束にした釣竿の男はやって来た。その男は俺をみてニヤニヤとした後近付いてきて肩に腕を回してくる。
「俺以外の客が居るとはなぁ…あんたも異界人かい?」
あんたも…?おいおいまさかお前異界人かよ。
「そうゆうあんたは異界人なのか?」
「いや?バリバリココが地元の大地人」
なんやねん!
「じゃあ、他に誰が異界人なんだ?」
「誰も何もそこの眠そうな顔のトイスは異界人だぜ?」
俺は驚き眠そうな顔の店員を見る。
こんなマイペースなやつがリアルにいたらビビるな…
「こいつァよォ腕は良いんだけどこんな調子だろ?だから依頼とかを頼んでも期間以内に終わんねぇから客が居なくなっちまうんだよ!俺が今頼んでる奴も納品期間内から二週間は過ぎてるしな!」
「いやいやおいおいそら笑い事じゃねぇだろ」
「良いんだよ!俺ァこいつの作る武器は好きだがだいたい何使っても強いからよ!」
確かに。こいつからは格神のランカー達と同等またはそれ以上の覇気の様なものを感じる。
「所でよ俺の武器はァ出来たか?」
「ん〜?僕?あー、あれか。もう出来てるよ」
そう言って店主は紺色の幕を潜り裏へと行ってった。
「そういやあんちゃん名前聞いてなかったな」
「ん?俺か?タッツだ」
「そうかそうか。俺ァヴァスタ。ただのヴァスタだよろしく!」
距離詰めんのうめぇなぁ。
なんか現実世界では超一軍女からモテ男から好かれるナンバーワン陽キャって感じかな。
「所でタッツよォコロシアム寄る予定とかあるか?」
「?一応明日行くけどそれがどうかしたか?」
「そうか、なら入る時俺の名前を出すといいぜ?」
なんでと聞こうと思った時トイスが箱を持って出てくる。
「はいこれ。注文のジカバニンガリュウムで作った武器全種。弓はジカバニンで作っても意味ないから作らなかったよ」
「おう!確かに受け取ったぜ!いくらだ?」
「269億ガルド」
いや、ジカバニンガリュウムってなんだ?なんか全部綺麗な青色してんな。
てか、269億って何?!国家予算?!
「ほい」
いや払えるのかよ!
ヴァスタの置いた袋がジャラりと崩れ中身が少し落ちる。
「全部鉱石かよ!金出せよ!」
「おいおい。この鉱石知らねぇのか?ジカバニンガリュウムだぞ?これ一つで小さな国なら買えるぞ?」
これで?!
俺は膝を抱え落っこちた鉱石を拾おうとするとトイスが目にも見えぬ(見える)速さで出てきて鉱石を拾い抱きしめる。
「すまねぇな。こいつ鉱石に目がなくてよ」
もう目がないとかそうゆう次元?なんか鉱石抱いて顔赤いしキスし始めたよ?
おぉおぉおぉおぉ。もじもじすな。
俺も依頼しとくかな間に合うか分かんないけど。
「なぁ、トイス。」
そう呼ぶと顔を顰めながらこちらを見る。
「さっきのお礼はよ俺の依頼を納品期間内に達成させるってので良いか?」
トイスはすごく嫌そうな顔をする。
だが、そんなトイスもタッツが出した素材を見て目の色を変える。
「こいつらで装備と刀作ってくれよ」
俺が出した素材…それは…!
「おいおいおいおい!こいつァ伝説の武器を守る龍王の鱗とユニークブラックモーガンの素材じゃァねぇか!タッツお前薄々強そうだとは思っていたが予想以上だ!是非コロシアムに来てくれ!トイスこんな素材滅多にお目にかかれねェ!受けとけよ!」
するとトイスはお前も取ってこいよと言わんばかりにヴァスタを睨みつける。
「俺が取ってこいって言いてぇのか?やだよ!俺はここから出ねぇぜ!めんどくさいし!何より倶利伽羅龍王は伝承の生き物であり一体しか居ねぇ!」
先に本音出ちゃってんじゃねぇかよ。
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その後トイスは顔を赤らめ素材を凝視しながら「そこまで言うなら仕方ない。受けよう」そう言って急いで工房に入っていった。
ヴァスタは大量の武器を風呂敷に詰め込みでかくなった風呂敷を担いで色々な商品にぶつかり倒しながら店を出た。
「じゃあ、ゲーム内で一週間後!また来るから!」
そう言ってトイスが親指をたてグッドサインだけを出したのを見届けてフレンド登録を済ませ俺も店を出た。
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