アーサー③
次回で今章は終了ですかね。
光り輝く斬撃と赤黒く染まった丸い玉はぶつかり合う。
強過ぎる力同士のぶつかり合い。
強い力同士の爆発はこの星が耐えられる許容量を大幅にオーバーし地は割れ木々は熱風で燃えている。
そして、最後にその場に立っていたのは。
聖剣の柄の先端を両手で抑え地面に突き立てているアーサーと仰向けに寝転がる道化の仮面。
「だぁー!つえぇ!これで勝てねぇのかよ!」
「俺も俺の宝具で倒れないとは驚きだぞ」
この技宝具って言うのか…。なんか、サーヴァントとか出てきて冬木市で戦ってそう(小並感)
「宝具ってよ。誰でも持ってるのか?」
「誰でも持っている物だよ。だが、使えない。強大すぎるが故にね。
普通こんなとんでもない力。人が持つには強大すぎるだろ?例えるなら小さな器に水を大量に入れるとするだろ?普通はその器からは溢れる量なんだが。
その器を無理矢理熱して広げて使えるようにするのが宝具でありスキルさ。
まぁ、俺は人より上の種族だけども」
確かに。こんなんみんな使ってたら大変なことになるしな。
世界とかもう無くなってるか。
「この勝負引き分けだな。お互い殺しきれなかった。」
「でも、お前は。【道化のバルト】は強かったよ。
よく初期種族で渡り合ってくるもんだよ。
俺なんて四回目なのに。
種族を進化か合体させた時にはもっと強くなれるさ。ま、聖杯がさせてくれるかどうかだけどな。
ホントに聖杯ってのは気まぐれで困るよ…」
なるほど。聖杯はこの世界で言うパワーアップアイテム的な?
ドラゴ〇ボールでいうポ〇ラってことか。
で、宝具が。大量の水を入れるのに入り切らないコップを瞬間的にデカくして放出出来るってことか。
なんか、こんがらがるな。
「とりあえず今回は引き分け…違うか?」
足を伸ばし座っていた俺に近付いてきて手を差し伸ばしてくる。
「そうだな。これは本番じゃない」
そう言って手を取ろうとするアーサーの胸の真ん中辺りから剣が貫通して出てくる。
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〈設定〉
聖杯。
〈説明〉
最初に魔法を使い始めたという世界で一番の魔術師の血を吸収した聖なる杯。
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アーサーの胸に刺さってた剣は抜けアーサーがばたりと倒れる。
その後ろから現れるのは半笑いのモードレッド。
「おい…!モードレッド!何をしている!」
ジョウと戦っていたパーシヴァルが武器を下ろしモードレッドの方へと走ってくる。
「お前はなんて事をしてるんだ…!自分が何をしたのか分かっているのか?!」
「俺は…!こいつを許さない…!この男は王などではない…!こいつのせいで母上は…ッ!血縁者と言うだけで恥だ!」
そう言ってモードレッドは唇を噛む。
マジかよ。仲間割れしてるしアーサー半殺しだし…
笑えねぇな。
視界の端の焼けた森から黒いベールを被った女性が出てきて俺に手を招いてくる。
俺だけ行こうとすると、アーサーも連れて来いとジェスチャーされる。
俺はアーサーをお姫様抱っこし黒いベールを被った女の人の元まで瞬間移動と錯覚する程の速さで行く。
アーサーを女の人の前で地面に寝かせる。ベールの女は綺麗な黒ドレスが汚れるのを躊躇わずに膝をつきアーサーの体の安否を確認する。
「おぉ…マー…りン…約束の…地へ…頼む…」
喋るアーサーの髪色はだんだんと毛先から白くなっていく。
するとマーリンと呼ばれる女性は涙し嗚咽しながら首を横に振りそれを断る。
「そこ…を…なんとか…な…?アイツ…ら来…てるかも…しれな…いだろ…?」
マーリンはしばらく涙を流し吹き嗚咽してから俺達に軽く会釈してどこかへ消える。
多分転移かな。転移のスクロールみたいなエフェクトだったし。
とりあえず…俺はあのクソモードレッドとか言う奴を殺す!
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ここは…約束の収束地…
横を見ると黒いベールを被った女性が涙を流し微笑んでいる。
「マーリン…」
俺はマーリンの頬に手を伸ばそうと右手を前に出そうとするが出ない。いや、右手がない。
なるほど…あの男か。
俺の騎士王の後継者と認めてもいいかも知れないが絶対にならないだろうな。
職業は…そうだな。
アーサーはアイテムボックスから一つの羊皮紙を取り出す。
『宝具【世界改変《人間界》】』
『今回のイベントでプレイヤータッツとジョウを抜いたプレイヤーの中で一番成績が良かった者に騎士王の職業の取得を許可する』
これでいいな。
肉体的には…歩けはするか。
「ありがとう。マーリン。」
そして俺は海辺まで歩き空を見上げる。
「なぁ、マーリンよ空は綺麗だな。やはり、独り占めしたくなる。」
「あ…ぃ…おぅで…ふぇね…」
「まぁ、マーリン。そう無理して喋ろうとするな。俺はお前の気持ちなど分かる。
道化に気おつけろ。とはまさか俺自身が道化になる事を暗喩してるとは思わなんだ。」
アーサーの見た目がだんだんと老けていき。
よぼよぼの老人と化す。
「マーリン…お前は…ホントに変わらないな…
記憶を消したのも若返らせたのもお前なのだろう?分かっておるぞ。
あの戦いで死んだはずの儂の命を制約を掛けて生き返らせたのだろう?
その、制約とは
儂の記憶。お前の治らない舌。そして記憶を取り戻した時儂が死ぬという事だ。あっておるだろう?」
マーリンは涙を流しながら首を縦に振る。
そして微弱ながらも今もまだ振り続ける。
「あ…いし…ぃ…て……た…からぁ…」
ありがとう…ありがとう…マーリン。
「こんなヨボヨボの爺さんを待ってくれて。ありがとう。後悔が沢山あるし残したいものも沢山ある。
エクスカリバーはあの仮面の男に渡してやってくれ。儂の甥に苦戦してる頃じゃろうからの。
儂もああされて仕方ないと思おておる。あやつは可哀想なやつよ。いや、儂が可哀想なやつにしてしまった。
最後はマーリン。お前に何も返してやれない事。」
そう言うとアーサーの下半身から光の粒となっていく。
「遅れて悪かったなアーサー・ペンドラゴン。」
「アサシン遅かったのぉ…もぉ…休む頃じゃ。」
そう言われアサシンはアーサーの全身を見る。
「そうだなお疲れ様」
砂浜から見える地平線の向こうから日が昇ってくる。
「空は…綺麗だのぉ…」
「そうだなアーサー。」
「だけど、空は儂が何をして…も…見てくれていた。空よ…感謝と共に儂の後悔を見届けてくれてありがとう。
じゃあの。マーリンに若作りジジイ」
最後に少年のように笑いジョークを言って完全に光の粒となり消える。
「じゃあな。アーサー・ペンドラゴン。もし次があるならもう一度旅をしてバカ騒ぎして一緒にマーリンやら女衆に怒られに行こう。」
どんなに時が経とうとあの旅を忘れることはないだろう。そして、■■■を倒すというこの気持ちも永遠に忘れないだろう。
「そう考えるとこれは神の呪いや■呪なんかよりもよっぽど厄介な呪いだな…」
そう言いながらアサシンと久しき名で呼ばれてたシワシワの老人が空を見上げる。
「儂のは若作りじゃなくて呪いだよ…」
風が吹きフードが揺れフードの影に入ってる所だけが若い顔になっている男が現れる。
その約束の収束地、または楽園と呼ばれる場所で見る空は雲ひとつない快晴だった。
その空に一人の男が祈りを捧げ。仲間の旅立ちを嘆く
『天よ。出来るならばこれ以上仲間を奪わないでください。これ以上…耐えられない…。』
唇を噛み涙を流したフードの男がどこかに消える。
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