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『愛してるぜ』

 要するに自分の生い立ちを素直に話すのは恥ずかしいから物語調にしたってことか。


「だからお前には真名?って奴がふたつあるのか」


「そこでなんだけど…<シモ・ヘイヘ>のユニークスキルか<ロト>のユニークスキルをあげようと思うんだけどどっちがいい?ごめんね言わないとは思うけど全部は渡せないんだ…」


 すいません。全部は?って聞く気まんまんでした。

 なるほど。とりあえず


「どっちがどういう効果なんだ?」


「それは貰ってからのお楽しみで」


 なるほどガチャか。じゃあ名前が勇者っぽくて強そうだから


「<ロト>で」


「わかった!異界人は大丈夫って聞いたけど気を付けてね!」


 気を付けて?なんか使い勝手が悪いスキルって事か。


「了解!」


「じゃあ渡すから…その…こっちよって…」


 俺は言われた通り近付くと。目を押えられ唇と唇が触れ合うのを感じた。


 うおっ!ビックリした。

 少し離れちまった。


「ご、ごめんね…嫌だったよね…」


 悲しそうにシムナが言う


「いや、そうゆう訳じゃないんだ。むしろ嬉しいくらいだけど。

 でも、そうゆうのをシムナとは出来ないよ」


 嬉しいと言うとシムナが少し顔を赤らめるが出来ないと聞いて少し悲しんでいた。


 別にシムナが嫌いな訳でなくて気持ち的な問題なんだがいや気持ちでも好きか嫌いかで言われれば

 好きか。


「と、とりあえずスキル譲渡も出来たし早めに行っちゃうね…!」


 シムナは立ち上がりどこかに行こうとする


「待ってくれ」


 反射的に手首を掴み止めてしまった。


 振り向いたシムナの目からは涙が出ていた。


「泣き虫だなシムナ」


「だって…だってぇ…」


 俺はすぅーっと息を吸いはぁーっと少し言いながら吐き

 シムナの手首を引っ張って引き寄せ抱き上げてキスをする。


 直ぐにやめてシムナを下ろす。

 シムナは目を赤らめながら俺の顔を見上げ何が起こったか分からないようなキョトンとした顔をしていた。


「友達とこうゆう事をするのは最初で最後だよ」


 なんだか無性に恥ずかしくなりむず痒くなったうなじを掻く。顔は熱をもって赤くなっているのが自分でもわかる。

 それを隠すように俺はそっぽを向き横に顔を向ける


 チラリとシムナを見た時のシムナは俺の顔をじーっと見つめながら頬を膨らませていた。


「ご、ごめん怒ってる?」


「怒ってる!心の準備してなかったのに!」


「ハハハ、ごめんごめん」


「でも、嬉しい…ありがとう…」


 シムナはもう一度泣き出し喋り出す。


「こんな時間が…いつまでも、いつまでも…続いて欲しい…けど、もうお別れみたい…。

 分かってたけど…こんな事されたら…余計悲しくなっちゃう…

 今度こそ本当のお別れ。バイバイ」


「うん…バイバイ。」


 そう言うとシムナは少し遠くに行き。

 流れていた涙を拭き取り笑顔をで手を振る。


「バイバイ!」


「じゃあな!」


「ありがとう!」


「おう!」


「また…またね!」


 そう言われて俺は。言葉が出なくて代わりに涙が流れてくる。


「おう…おう…!またな!」


 そう言うとシムナは今度こそ何も言わなくなったと思った。


 シムナの姿がだんだんと薄くなっていく。

 するとシムナが言葉を発する。


「好きな事してね!好きな人出来たら教えてね!」


 流れていた涙が激しくなり。悲しみが一気に込み上げてくる。


 俺は出せるだけの速さで足を動かし。シムナの元へと走り出すが動いてるはずなのに近付いてる気がしない。


 シムナは『愛してるぜ』と話していた男のように口を動かし完全に消えていき。

 俺は倒れ意識が薄くなる。


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