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救世主

 少し話した後買い物をして家に帰り

 妹と母親の分のオムライスを作り部屋に戻りヘッドギアを頭に付けてもう一度ベッドに眠りにつく。


 ---


 おっとぉ?朝ですね何日目かな…?

 えっと…5日目…だと…!?


「おいおい、遅かったなタッツあれからもうゲーム内で三日も経ったぞ」


「マジかよ今回の時間加速とんでもないな」


「そうだな。それだけ長くかかるイベントなんだろ」


 なるほど。そうゆう解釈も出来るのか。

 多分そうゆう事なんだろうな1時間ちょっとでこれなら凄いな。


 でも少しこれは…まずいな。戦況が一気にわからなくなった。


 テントから出て近くの兵に話しかけに行く。


「おぉ!これは英雄バルト少尉!バッツ戦線もこれで攻め落とせる…!」


 は?

 英雄?少尉?なんか俺が居ない内に俺出世してね?


「シムナ〜!」


 ?いつもなら飛んできてくれるのに。

 聞こえなかったのか?


 もう一度呼びかけようと息を吸い名前を呼ぼうとすると目の前の兵が話しかけてきた。


「そのっ…申しあげにくいのですが…シムナ少尉は今三万人が押し寄せてるバッツ戦線を一人で対応しています…」


 は?!

 三万を一人でって…!そんなもん無理に決まってんだろ!なぜ止めなかったのかと目の前の兵士に威圧をかけて問う。


「申し訳ございません…!我々も行きたかったのですが…!王の命令により…近付くなと言われており…行けません…!」


 クソッタレ王が!あんなちいせぇガキ一人に三万を相手させるなんて…!


「ジョウ!オレハバッツニムカウ!ツイテクルノモココニイルノモスキニシロ!」


「じゃあ、俺はスレイブパーティー達が苦戦してる西方面に行ってこようかなぁ」


 クソっ!ゲームでこんなにキレたの久し振りだぞ…!


 拳を強く握り過ぎて自分の拳からダメージエフェクトが現れるが<超再生>の自動回復が一瞬にしてゼロにする。


 待ってろよ…このゲーム内唯一の平等な関係(友達)…!


 ---


 飛行魔法を発動させ上へと上昇した。

 雲にも届きそうな程の高さまで来た所で異様な光景が広がっている場所を見つけた。

 そこにはこの国に行く時見たような雪で凍った人間が大量に並ぶ。


 これはおかしいだろ。

 雪が降ってねぇのになんでだ?


 俺は全速力で凍った人間がいる場所まで行く。


 ---


 白い地面に足を着き歩くとザクザクと音がする

 雪のような音を鳴らすが踏んだ感触はまるで砂利。


 凍った人間を触り確認しようとすると一瞬にして崩れる。崩れた雪のような物を握り回す。そして最後には舐める。


 これは…塩だ。


 塩の地面を指弾にて掘り起こす。

 地面は奥深くまで塩とかしていて土は見えない


 地面に<超再生>を付与すると足元の塩が土と化す

 それじゃあと思い人型の塩の柱にも付与すると人が出てくる。


「き、貴様が…」


 塩の柱から出てきた人は真王国軍だったから首を刎ねて倒す。


 てことは…ここら辺全部人だったってことかよ…

 笑えねぇな…

 とりあえずバッツに向かわないとな。


 飛行魔法で上に行き周りを見渡し一瞬青く光った所を見つける。


 薄々気付いてたが…やっぱりお前そこだよなぁ…



 ____________________________

 〈設定〉

 かつての■■■の全種族は世界の崩壊を食い止める為に世界の■■を消す為に全ての種族から最強の■■を組み世界の■■を探し出し消す旅に出る。

 そして■■を見つけ出すが、かの者達は破れ世界は滅び。十八個に割れる。


【十八の世界の創成】

 著者[ナガリ・フガリブル]

 ____________________________



 ちょうど二ヶ月程前

 顔はもう思い出せないが僕には男と女の二人の親友が居た。

 二人は軍に志願し成績も士官学校の中ではとても優秀な成績を残していて。

 僕達は楽しく士官学校生活を謳歌していて

 そしていつまでもそれは続き皆で終戦まで笑顔で過ごせるのだと。


 だがその楽しい生活も一通の残酷な手紙によって崩れ一瞬にして楽しい思い出を血の色で赤く染めた。


 その手紙の内容とは要するに戦争においての兵士が足りないから士官兵である君達に来てもらいたいという物だった。


 親友の二人はその徴兵にひどく興奮してワクワクとしていた。二人に反して僕はひどく怯え初めての

 戦場へと出向いた


 二人は確かに士官学校では優秀だったが戦場では雑兵の一人。

 対して戦場においての僕はあまりに天才的で神に味方されていた。


 二人は初陣での戦績はゼロ

 それどころか足を引っ張っていたと言ってもいい。

 やはりこれでも僕は初陣とは思えない程の戦績、

 狙撃討伐成功数542。


 それを聞いた二人は焦り夜中に命令を無視して二人で敵軍に突撃して呆気なく死んだ。

 まるで、道端の虫を踏み潰すように奴らは二人を

 殺していたと後に知った。


 僕は泣き悲しみ怒りに震え、気を失った。


 目覚めたのは数時間後か数日後かは分からない。

 だが、気付いた時には辺りは白く染まり人が柱となっていた。


 その力を使うと体が腐り傷つき記憶はを段々と無くしてしまう諸刃の剣。

 だがその代わりに敵を絶対に倒す切り札


 その時誰が教えたでもないのに鳥が飛び方を覚えてるように理解した


 僕は…潮の王となったのだと。


 そして王により部下が居ないにも関わらず少尉の階級を承った。


 ---


 そして二回目の戦場

 それは、酷いものだった


 敵軍4000対僕一人


 その時僕は王が僕に死んで欲しいのだと思っていた。

 そして死のうと決意し戦場へ出るが何をされようと潮の盾が前に現れ致命傷は避けられる。


 ならばと思い能力を酷使して死のうと思った。

 だが、敵軍を全滅させた。いや、させてしまった。


 能力を酷使したせいで足は完全に腐り意識は遠のいていた。これが僕が求めていた死。

 だけど、死を直前にすると二人の顔を思い出し

 怖くなってしまった。


 そこで意識は覚醒し這いずり気を失い這いずり気を失いを続け聖国を囲むサートルの森で気を失った。


 足音がして目を覚ました。

 彼はまるで物語の王子様のように現れ体を完全に

 治療した。


 治癒魔法では治らない筈の物を治したのだ。


 彼は凄い。戦闘能力も凄まじかった。


 彼は僕の心の救世主だった。

 僕は多分その時点で彼に惚れていたのだと思う。









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