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【書籍化決定】セブンスソード  作者: 奏 せいや
第1.5部
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提案

「そこで提案がある」


 なんだろうか。提案の中身に俺たちは賢条が浮かべる笑顔を凝視する。


「実は国内において活動が確認されている悪魔召喚師がいてね、これの対処、その手伝いをして欲しいんだ」


 手伝い? 悪魔召喚師のか? 

 なるほど、特戦は日本の対異常組織。国内のことなら誰よりも詳しい。それで悪魔召喚師のことも知っていたんだ。ていうか日本にもいたのかッ。


「こちらからは情報提供を行い、あなた方には現地に赴いてもらう。どうかな、いい話だと思うけれど」


 賢条からの提案。それはなんというか……。


「アホか、狙いが見え見えじゃねえか。要は私らにやらせて共倒れしてくれってことだろ」


 俺が言う前にモニカが話す。賢条からの提案を真向から突き放した。


「そんなそんな。魔卿騎士団の戦闘能力の高さを私たちは買っています。適材適所ってやつですよ。さすがに情報の量、質において国内なら右に出るものはないと自負しています。あなた方も知りたいことはあるはずだ」

「戦いは私らだけにやらせて、使い捨てか?」

「私たちだってこの情報を得るために多くの犠牲を出している。情報は血だよ、それを差し出すと言っている」

「ハン、誰がこんな間抜けな誘いに乗るんだよ」


 賢条の言っていることも分かるがモニカたちをいいように使いたいのはそりゃ見え見えだ、こんな状況では反抗もしづらいし。特戦としても厄介な異常組織互いに争ってくれた方が嬉しいんだろう。

 ただ、俺の立場としては。


「情報提供っていうのは本当なんだな?」

「ハア!?」

「ええ、もちろん」


 モニカが睨んでくるが無視する。反対に賢条はさらにニコニコ笑って頷いた。


「あの、聖治君。これはね? 君にいわばただ働きをさせようっていう悪い大人の誘いみたいな」

「アメリア、大丈夫だ、分かってる。それでも俺は知りたいんだ」


 彼女の心配を無下にしてしまう申し訳なさはあるがここは俺だって譲れない。だってそうだろう?


「俺には悪魔や悪魔召喚師の情報が必要だ。それが得られるっていうなら魔卿騎士団でも特戦でもなんだっていい」


 俺にとって大事なことってなんだ? 俺がすべきことってなんだ? そんなの決まってる!


「世界を、今度こそ救うんだ」


 そのためにも、俺たちには情報が必要だ。それが悪魔召喚師が国内で確認された? 調査して欲しい? やるに決まってる。


「素晴らしい。君のような勇敢な若者が同じ日本人で誇りに思うよ。歓迎するよ、聖治君」

「御託は言い。そんなことよりここからは話し合いだろう、これを解いてくれ。じゃないとフェアじゃない。二人が窮屈そうなんだ」


 異能封じの結界の中銃を向けられながら交渉、なんて馬鹿な話があるか。こんなの対等じゃない。だから言うんだが、


「申し訳ない、お気持ちは察するがそればかりは。ご理解いただけませんかね」

「一方的に襲っておいてか?」


 賢条にその気はない。丁寧な姿勢も格好だけか。


「あなた方は強い、私たちからすでば猛獣のようなものなんですよ。だから話すにしても檻が必要なんです」

「私は違いますがね」

「隣人が失礼なことを言っていますが私は正真正銘か弱いだけの人間で小心者なんですよ。本当に申し訳ない」

「それか檻の代わりに躾にしますか?」


 そう言うと牧野は指を折りぽきぽきと音を立てた。


「はっはっはっは、もちろん冗談ですよ」

「私は本気ですので」

「はっはっはっは……牧野ちゃーん、勘弁してよぉ」

「失礼」


 相変わらず彼女は攻撃的だ、黙って立っていた時から戦闘態勢な目つきだったからな。俺たちを敵味方不明ではなく完全にエネミーとして扱ってる。


「舐められたもんだぜ」


 そこでモニカが動いた。能力は使えないはずだが苛立ちを隠さない顔が全員を見る。


「私が誰か知ってのことだよな。魔卿騎士団四大幹部のモニカ・クリケット様だ。それをこんなしょぼい檻でなんとか出来るだと?」


 兵士が銃を構える。にも関わらずモニカは瓦礫の山からゆっくりと降りていく。


「見せてやろうか、格ってやつを?」

「社長」


 怒りでガンギマリの目を見開いて、特戦を睨みつけていた。

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