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【書籍化決定】セブンスソード  作者: 奏 せいや
第1.5部
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スパーダ&魔境騎士団&特異戦力対策室

「特戦?」


 ホテルの襲撃から逃れるため床を壊したがすでにそこには先客がいた。特戦と名乗る男性、その隣には同じくスーツ姿の女性が立っており彼女は男とは対照的に敵意を隠しもしない表情だ。下手に動けばすぐにでも攻撃してきそうな雰囲気。


 一人は笑顔を浮かべ片や睨むほどの視線。対照的な二人はまるで建前と本音が並んでいるようだった。

 その背後、扉付近には武装した兵士たちが並び銃口を向けている。


 なんだこいつら、普通じゃないな。それに特戦なんて聞いたことがない。見た感じ日本人だが同じ日に二回も銃を向けられるなんて、ここ日本だよな。


 それに異常なのは彼らだけじゃない、この部屋そのものだ。

 巨大なワンルームといった広い場所なのだが、その床には墨で描かれたような黒く巨大な紋様が広がり、それ以外にも文字が描かれている。壁も同様でありそれらが小さく発光していた。

 見ればモニカとアメリアが難しい顔をしている。


「アメリア」

「駄目です、私も封じられてます」


 そうか、使えないんだ。


 この部屋中に描かれた異様な術式、それで能力が封じられている。

 なんてやつらだ、扉や窓を頑丈にし停電と毒のスプリンクラー。それで床を壊しての脱出、それらすべてを読んだ上でここに誘い込んだのか。


 なんて大胆、そして狡猾。


 それはモニカも同じようで強気な笑みを作っているが焦っているのが分かる。


「異能封じの結界か、この場所に引き込むためだけにこんな回りくどいことしてんのか?」


 読みのすごさもそうだがよくここまでやるなという感想が全部を持っていく。今までの妨害がおまけだったなんて。普通にどれも本命だと思ってた。だっていうのにこの男は違う。


「いや、するでしょ。なにせ相手は魔卿騎士団。僕としては今でも不安なくらいですよ」


 言葉ではそう言うが、その顔はニコニコと笑っている。


「室長、私もいるのでご安心ください。あなたに危害が及ぶことはありません」

「牧野ちゃ~ん、そんな言い方したらお相手に失礼でしょ?」

「失礼、私にも立場があるので」

(こいつら……)


 ぜってー分かって言ってるだろ。


「あんたらは何者なんだ?」


 本当に、今日は知らない人物に会うのが多い日だ。


「そうだね、ちゃんと話しておくべくか。座ったまま失礼するよ、僕たちは特異戦力対策室。防衛省にある非公開組織。君たちのような異能者や異常現象などを取り締まってる。日本政府の者さ」


 特異戦力対策室、そんなのがあったのか。言われて納得するが異能者なんて国家レベルの危険要因把握していないはずがないんだ。ならこうした組織があるのも頷ける。

 賢条の説明にアメリアはなにか思い出したように「あー」と言っていた。


「それで君たちが来日していたのは把握していたんだが、まさか時間異常体の少年と一緒だとは驚きでね」

「時間異常体? ああ、タイムリープのことか。お前言ってたな」

「え。待ってくれ、タイムリープを知ってるのか!?」


 そこまで知ってるのか!?

 特戦はどこまで知っている? この戦力にこの状況を作り出した戦術眼、情報網の多さ。これが国の力か。


「俺たちに用があったなら普通にノックでもすればいいだろ」

「それはそう。申し訳ない、どうにも安全が確保された状況じゃないと話せないものでね、職業側。ここで仲良くなれたら次からはそうさせてもらうよ」

「あると思うか?」

「部下はどうした」


 そこでモニカが話す。そうだ、外で行われているという襲撃はどうなっているんだ。モニカの部下たちが襲われているんだろ?


「牧野」

「すでにここら一帯は制圧済み、反ミーム加工されたヘリも接収済みです。死者は敵味方含めていません。現在は怪我人の治療に当たっています」


 眼鏡を掛けた女性の答えにアメリアは見るからにホッとしている。死者がいないっていうのが不幸中の幸いだな。とはいえいきなり襲ってくるなんて許せるものではないが。


「罪状は?」

「僕たちは警察じゃない」

「クソが」


 それが、国防を裏で行う組織、特戦のやり方なんだ。


「もしかしたら自覚がないのかもしれないから言っておくが君たちは大物なんだ。例えるならCIA長官や麻薬王が日本に来ましたみたいな、なにかあるに決まってる。それを未然に防ぎお帰りいただきたいって言うのはごく自然な流れだ。それと、申し訳ないついでで言うと君たちの会話は盗聴させてもらった」

「なに?」

「新たな団長を作る儀式、セブンスソードと未来からの帰還、殺戮王の襲撃。どれも興味深いものだ」


 マジかよ、しまったな。あれ聞かれてたのか。

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