『団長候補』聖治対『四大幹部』モニカ
魔弾が当たり勝利を確信したモニカは拳銃を下ろし膨れた戦意が落ち着いていく。
「お前たちスパーダは気の毒に思う。始まる前に止められなかったのは私の責任だ。謝らんが、好きに恨め」
その顔は真剣だ。目つきにも油断はない。今も俺を敵だと見つめている。
けれど、憐みのようなものは確かにあった。
「これが私の責任だ。団長亡き魔卿騎士団として、やれることをやるだけだ」
責任と憐憫。小さな体はその狭間に立って、大きな決断をしたんだ。
モニカは再び拳銃を向け、引き金に指をかける。
「じゃあな」
発砲音が、夜の町に響く。
「グラン」
「?」
シンクロスが緑に光っている。モニカが放った銃弾は、斥力によって弾かれ地面に転がっていた。
「なるほど、どうやらシンクロスの一つが封じられたようだな」
「な」
だが他の能力に関しては支障はない。今まで通り使えそうだ。
「だが、完全体を封じるには出力不足じゃないのか?」
「馬鹿な、なぜ」
俺はスパーダ封じの弾丸を受けたがこうして使えている。戦闘も、問題ない。
俺はグランのまま今度は引力で兵士の一人を引きつける。悲鳴を上げて近寄る男を刀身の横で殴りつけ地面に叩きつけた。
この場が、一瞬で静まり返る。
「来いよ、俺はまだまだやれるぜ?」
モニカたちからすれば、戦術は瓦解し、確約されたはずの勝利は反故にされ、敵は健在どころか予想よりも強い。その衝撃にこの場は覆われていた。
俺は、こんなところで負けられない!
「下がれ! お前らでは相手にならん!」
「ですが社長!?」
「撤退しろ! 時間は私が稼ぐ!」
危機感に表情を歪めながらモニカが突っ込んでくる。
「マネー・イズ・パワァアー!」
叫び声の後、両手にはサブマシンガンが握られていた。二つのマズルフラッシュが都会に灯る。
「天志!」
それを桃色のバリアで防ぎつつ俺も接近、斬りかかる。
「はああ!」
「ちぃい!」
シンクロスの刀身を振り下ろし、モニカはサブマシンガンを重ねて受ける。それで銃身は壊れモニカは投げ捨てた。
「いい気になるなよクソが!」
モニカは離れるとその手にはフラッシュバンが握られていた。それを放り視界がホワイトアウトする。
「く!」
閃光と音で目と耳が麻痺してる!
「ミリオット」
すぐに身体強化を行い回復力を高める。それで視力も聴力も戻ってくれた。
それで見てみるのだがモニカの姿が見えない。どこに消えた?
直後、額に衝撃が走り頭が傾く。痛いな。それで地面を見れば今当たった銃弾が転がっている。でも怪我はなく痛みもすぐ引いていく。ミリオットの強化様々だぜ。
それで方向を見ればビルの屋上に反射光が見える。スナイパーか! だが位置さえ分かればこっちのもの。
「ミリオット!」
俺はため込んだ力を光線に変え発射する。それは屋上を焼きすぐさま走り出す。ミリオットの身体強化で道路を進み壁面を走って屋上にジャンプする。
屋上はミリオットの熱気にやられ湯気を出しその中にはモニカの姿もあった。服がところどころ破け白のシャツが見えているが無事のようだ。
「クソ。クソ。クソが! くだらねえ縛りさえなければぁ……!」
屋上に倒れ悔しさが詰まった言葉を吐いている。あの一瞬でこの屋上まで移動した身体能力と自在に銃器が出せるだけでも強いのは間違いないが。
俺は近寄り、彼女の首元にシンクロスを近づけた。
「勝負ありだ、それか死ぬまで続けるか?」
痛みに表情を引きつらせながら、彼女が見上げる。
「クソ、どういうことだよ。なんで」
彼女たちの情報ではセブンスソードは今も継続中。俺みたいに複数のスパーダを持ってるなんておかしいんだ。
だから前提が違う。
「言っただろ、セブンスソードはすでに終了している。それと、俺は団長になる気はねえよ」
「なに?」
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