対スパーダの切り札
これが俺のスパーダ、シンクロス。みんなの力を受け継いだ絆の結晶。刀身はみなの色を合わせた七色。それがオーロラのように輝いている。
俺のスパーダにアメリアは大慌てでタブレットを操作しモニカは顔色一つ変えず俺を見つめていた。
「それがお前のスパーダか。どれほどのものか試してやるか」
俺とモニカの睨み合い。互いの視線が戦意と共にぶつかり合う。
「撃て」
直後、襲い掛かってきたのは兵士たちからの銃弾だった。横に展開した兵士たちから同時に発射されるフルオートの弾幕が俺一人に集中する。
助からない、普通なら。
(さて、どうしようかな)
だけど、俺には迷う余裕すらあった。
(どれにしようかな)
防ぐ手段がいくつもあって、逆に迷う。
いくつもある選択肢、その中から選ぶのは、
「エンデュラス!」
七色にある水色が光る!
俺は高速で剣を振るい迫る銃弾全てを切り落としていた。銃弾が車道に落ちじゃらじゃらと音を立てていく。
「ほお、いや待て。おい、出力高くねえか?」
「一本でこれは、二本だとしても……」
如何にエンデュラスとはいえこれだけの数のフルオート、すべて切り落とすにはそれなりの本数がないと無理だ。モニカたちもようやく疑問に思い始めている。
「次だ、やれ」
モニカの指示を受け兵士が動く。一人が片手を上げるとそこに炎が現れ、隣の兵士は風を起こし俺に向けてきた。
「火炎放射?」
炎と風を掛け合わせ巨大な炎が迫る。
これは単なる炎じゃない、物理法則に沿ったそれではなく異能によって生まれた炎。なら!
「シンクロス!」
刀身が黄色に光る。それで火炎放射を受け止めた。
瞬間炎が消える。異能を打ち消す異能、それによって敵の攻撃を無力化したんだ。
「ああ? 二つ目の能力だとぉ?」
「あ、あれ~……?」
俺がシンクロスの能力を見せたことでモニカは激怒を浮かべアメリアは冷や汗をかきその顔は笑って誤魔化そうとしている。
「てめえアメリア! 情報はいつも確定したものだけ上げろって言ってんだろ!」
「すみません~! でもでも、スパーダは六人の生存を確認してるんです! ならこれで終わりのはずです! 三つはないです、はい!」
「で、それがお前の能力ってわけか」
モニカはすぐに切り替え鋭い視線を向けてくる。
「どうした、次はどんなおもちゃで遊ぶんだ?」
「舐めんなガキ、潰すぞ」
「本当の子供(お前)が言うと滑稽だな」
一拍の間、俺とモニカで本気の緊張が走った。
「能力は割れた、十分だ」
モニカのセリフのあと再度兵士たちから銃撃がやってきた。だがいくらやっても同じ、エンデュラスで切り落としていく。大丈夫、全部見えている。
そこでさきほどの火炎放射も迫ってきた。さすがにエンデュラスで斬るというわけにもいかず、高速移動で回避する。
「逃がすな」
銃弾と火炎放射の二重攻撃、厄介だな。攻撃が点と面で分かれている。
俺は先に銃弾を斬りすぐにシンクロスに切り替え火炎放射を打ち消す。
その先、モニカが拳銃を構えていた。
(火炎に隠れてたのか!)
銃弾の射線に運よくシンクロスが重なり防いでくれた。衝撃にシンクロスが弾かれるがすぐに構え直す。
「惜しかったな」
危なかった、シンクロスに当たったから良かったものの大怪我だったな。
「いや、終わりだよ」
しかし、モニカに落胆はなく、俺はシンクロスに目をやった。
「なに?」
銃弾がシンクロスから離れていない。それだけじゃない、この銃弾から魔力を感じる。
「その魔弾を受けたスパーダはもう能力を使えない。てめえは丸腰も同然なんだよ」
それがモニカの本命。スパーダ殺しのだ秘弾。
「シンクロスには異能を打ち消す異能がある、この魔弾だって」
「残念だが、対スパーダ用に作られた特別製だ。シンクロスの能力でもこれは無効に出来ねえよ」
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