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【書籍化決定】セブンスソード  作者: 奏 せいや
第1.5部
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このあとめちゃくちゃ……

 星都の返事に妻川さんはホッとしている。反対に星都は嬉しそうというより真面目な表情だ。


「わりいな聖治、力也。こういうことだからうよ。俺抜きで行ってくれ」

「分かったよ。安心しろ、お前の神様には俺から言っといてやる」

「おう、頼んだよ」


 それで星都は妻川さんと一緒に教室を出て行った。ずいぶん頼み込んでいたが用事っていったいなんだったんだろうか。


「まあそういうことなら仕方がない。俺たちだけで楽しもうか」

「うん、そうなんだな」


 張り合う相手がいなくなってしまったが勝負は後日までおあずけだ。


「じゃあせっかくだし此方を呼びに行こうぜ。あっちの校舎なかなか行く機会ないんだよな」

「それなら僕は先に校門で待ってるよ、先に日向ちゃんが来てるかもしれないから」

「そうか? じゃあそうするか」


 俺は力也と一旦別れ此方の教室に向かう。渡り廊下を通り向こうの校舎へ移る。同じ学校だけどなんか新鮮味があるよな、別の校舎って。それにこれから遊びに行くというのもあって気分が上がる。

 それから此方の教室に着き扉から中を伺ってみた。もしかしたらもう行っちゃったかな?


「ねえ、あれ別クラスの人じゃない?」

「知ってる、剣島君でしょ? かっこいい~」

(あはは、どうも)


 聞こえてきた会話に照れつつ改めて見渡してみる。そこで見つけた。


「おーい、此方」


 俺に呼ばれ赤い長髪が揺れる。安神此方。ワイン色を思わせる渋みのある赤い髪が腰まで届き座っているだけで絵になる美人だ。ほんと、高嶺の花っていうのかな。雰囲気からしても特別感があるんだよな、此方って。みんなは友達とだべってたりする中此方は一人っきりで、にぎやかさのある中クールに座っているところも華があるというか。


 俺は教室に入っていくがそこでみんなの視線が気になった。はじめは俺を見ていたのが次に此方を見ている。それだけならいいんだが、見る目が暗いというか、にぎやかだった室内も少しだけ静かになってるし。


(なんだろ、さっきとは雰囲気違うな)


 気にはなったがそんなことより此方だ、早くラウンドニャン行こうぜ。


「よ! 今終わったところか?」

「聖治、なんで来たの?」

「なんでって、特に理由はないけどよ。せっかくなら迎えに行こうと思ってさ。てか此方はラウンドニャンって行ったことあるのか? ボーリングのスコアってどれくらい? 俺あんまり上手い方じゃないんだけど、あ、実は星都が用事できて来れなくなってさ、それで聞いてくれよ。女の子に誘われたんだよ、告白って感じじゃなかったけどなんなんだろうな」


 いやー、正直気になる。恋愛って感じではなかったけど、でもだぜ? 長い間とも言ってたしどんな理由だったんだろ。星都のそっち系の話、俺気になります。


「え、二人って知り合い?」

(ん?)


 と、そこで声が聞こえてきた。振り返ってみるがみんな俺たちから顔を逸らしている。

 もしかしたら気のせいかとも思ったが、なんていうか……。


「ごめん聖治、私も用事できちゃって。他のみんなと行ってくれる?」


 そう言うと此方は鞄を持って立ち上がった。


「おい」


 それで早足に教室を出て行ってしまう。俺だけが取り残されて、だけど用事ができたと言われたら仕方がないよな。


 なんだかモヤモヤする。胸に晴れない霧を抱えたまま正門へと向かう。見ればそこには力也ともう一人、今回のゲストが立っていた。


「聖治さんおっつかれ~。ねえねえ、聖治さんってラウンドニャンよく行くの? てかボーリングする? スコアどれくらい? 私よく分からないんだよね、あれどうやって真っすぐ投げるの? 床に書いてある矢印見ろっていうけど意味なくない? あと重さってあるじゃん? どれが丁度いいのかわっかんないんだよね~」


 そう言いながら鞄を持った両手を頭の後ろに組んでいるのは安神日向ちゃん。俺たちの一個下で此方の妹だ。彼女は今日も元気いっぱいだな。


「日向ちゃんお疲れ。あと俺もよく分からん!」

「だよね~」

「あはは。聖治くん、それであんなにやる気満々だったんだな」

「気持ちだけは負けてないんで」

「よ! さっすが~」


 今から戦うっていうのに気持ちで負けるバカどこにいるんだよ!? 勝負は勝つ気で行くんだよぉおおお!


「それでお姉ちゃんは? 聖治さんと一緒じゃないの?」

「それなんだけどな」


 さきほどのことはやはり気になる。みんなに聞いてみようか。


「なんか用事ができたって先に行っちまってな。あと、此方ってもしかして浮いてる? 教室行った時友達っぽい人いなくてさ。なんか話してるとみんな見てきたんだよね」

「え」


 俺は言うが、そこで日向ちゃんが真顔で見つめてきた。


「聖治くん」

「え?」


 それで力也にまで言われてしまう。


「あ、え? ごめん、俺なんていうか」

「ごめん、私家帰る! また誘ってね!」

「あ、あー……」


 日向ちゃんは腕を振りながら慌てた様子で走っていった。呼び止める隙すらなく伸ばしかけた手を下ろしていく。


「なあ力也、俺ってノンデリかな?」

「んー」

「なるほど、普通はそうやって言うんだな」


 答えづらいのか、力也は視線を動かしては言葉を探していた。

 それにしてもどうするか、星都も此方も日向ちゃんも不参加だと俺と力也だけだよな。今回のラウンドニャン行きは文字通りここにいる二人だけだ。


「なんか、俺たちだけになっちゃたな……」

「うん」

「力也は用事とかないのか?」

「まあ、僕はないけど……」

「そうか…………なあ」

「うん」

「二人だけどさ…………行こっか?」

「うん」


 このあとめちゃくちゃラウンドニャンした。

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