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【書籍化決定】セブンスソード  作者: 奏 せいや
第七章 未来の君へ、愛よ届け
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救出

 魔卿騎士団との戦いはまだ終わっていないということ。けれど星都は別の見方をしている。


「向こうから接触してくるっていうなら好都合だ、探す手間も省ける。それでこっちに取り組むことが出来れば」

「仲間に出来るかもしれない、ってことか」


 悪魔の侵攻から人類を守る。この目的自体は理解してもらえるはずだ。団長の地位なんていらないし戦いが終わった後ならそんなのいくらでもくれてやる。俺たちに必要なのは大勢の仲間だ。悪魔と戦うための。


「その通り。悪魔と戦うのも重要だがその前に戦力を整えるのも大切だ。防衛の前の下準備、俺たちにはそれが必要だ。残りの魔卿騎士団も最初は様子見だろうがそろそろ動くはず」

「なるほど」


 今まで平穏だったのは相手が牽制の睨み合いだったから、っていうのも考えられるか。


「みんな、気を付けてくれよ」

「おう」


 星都の注意にみんな応じる。やることは分かった。悪魔の侵攻への備え、そのために魔卿騎士団との接触。それに関しては向こうから来るだろう。今はそれを待つんだ。


「星都、なんか板に付いてるな」

「うるせえ、嬉しくないんだよ」


 さすが元司令官。考え方とか人への指示が慣れている感じがする。

 そこでチャイムが鳴り始めた。昼休憩ももう終わりだ。


「そろそろ戻らないとな」


 立ち上がる。みんなと話ができて改めて気が引き締まった。それに今後の方針も明確になったしな。こういうのも仲間がいてくれたからだ。一人じゃなくてほんと良かったと思う。


「ちょっと待て」


 そこで星都が言い出した。なにか警戒しているようだ。


「どうした」

「この感じ……」


 星都は屋上の一角を見つめている。俺も見てみるががこれといってなにもない。

 瞬間だった、屋上から他の生徒たちが消えていく。学校からも人の声が消えグランドにいた生徒たちもいなくなっていた。


「結界!? 馬鹿な!」


 人が消えるのはセブンスソードの結界だ。でもあり得ない!


「セブンスソードは終わったはずだろ!?」

「なにかが近づいてる、みんな気をつけて」


 香織に言われみなが辺りを警戒している。


「気をつけろ、来るぞ!」


 そう言って星都はエンデュラスを取り出した。それで全員がその一角を注目する。

 なにもない空間。そこが突如揺れ出した。その場所だけが引っ張られたように伸びたかと思えば今度は縮み空間が収縮と膨張を繰り返している。


 その中心に光が現れ一気に弾けた。


「なんだ!?」


 そこにいたのは、あり得ない存在だった。

 黒い体表に翼を生やした人型の実体。


 その姿は間違いない。


「悪魔だと!?」


 二メートル近い体躯に黒い体。四つの翼を有し鋭い眼光を放っている。

 その威圧感。すさまじい気迫がいるだけで周囲にぶつけられる。一目見ただけで分かる。


 こいつ、悪魔の中でも相当強い!


「なんだ、こいつ」


 それに見たことがない悪魔だ。そもそもどうしてここに現れた?


「みんな構えろ!」


 スパーダを取り出す。まさかこの時代に出てくるなんて。それにこのタイミングで。みんなも緊張した面持ちでスパーダを構える。


「ガ、アア」


 悪魔は大きく肩を動かしている。俯いていた顔を上げ俺たちを見遣り、ゆっくりと顔を動かす様はまるで誰かを探しているようだ。


「おい!」


 声を掛けるが無反応。それは無関心というよりも余裕のなさを感じる。なんだ、なにが目的なんだ?

 悪魔は俺たち一人一人を見ていくが、その顔が香織で止まった。


「ガアアアアア!」


 静寂だった雰囲気を悪魔の咆哮が震わせる。地面を踏み込み襲い掛かってきた。


「させるかあ!」


 狙いは香織か、そこに真っすぐと飛び掛かる。速い。だが警戒していただけあって俺はその間に入り込む。シンクロスで迎え撃ちタイミングは完璧。しかし、


「なッ」


 悪魔は、シンクロスを片手で掴んできた。シンクロスごと俺を放り捨て床に激突させられる。


「くう!」


 なんて力だッ。

 悪魔はそのまま突き進み香織に手を伸ばす。


「待てやてめえ!」


 だがそれを見て放っておくみんなじゃない。特にこの男は早い。

 星都が動く。加速した動きは如何に悪魔でもついてこれない。俺だけじゃない、ここにいる全員が確信する。


 しかし、本当の衝撃が現れた。


「イデヨ」


 それは聞き間違いか、なにかの悪い冗談か。けれどそれは現実となって表れる。

 けれどそれはあり得ない。いや、あってはいけない。なぜならそれは。


 悪魔の手に現れたのは紛うことなき最速の一振り。


「エンデュラス!」


 水色のスパーダ、光帝剣エンデュラスだった。


「なに!?」


 星都と悪魔のエンデュラスがぶつかり合う。力は悪魔の方が強く星都は押し戻されてしまった。


「エンデュラスだと?」


 星都も驚いている。当然だ、俺だってそう。


 もう一本のエンデュラス? あり得ない、なんなんだこいつは!? 


 本来スパーダは一つしか存在しない。二本目のエンデュラスなんて存在しないはずなのに!


 だが驚いてばかりではいられない。そういう意味ではみんなは早かった。悪魔が動いたことで力也や日向ちゃん、此方も悪魔を囲うように攻め込む。それぞれのスパーダが悪魔に迫る。


 だが。


「イデヨ、グラン、ミリオット、カリギュラ」


 悪魔はそれぞれのスパーダを取り出しすべてを防いでいた。グランとミリオットを両手に持ちカリギュラとエンデュラスは空間に固定して攻撃を防ぐ。四刀流で、三人の攻撃を受け止めていた。


「そんなぁ」

「うそでしょ!?」

「こいつ」


 みんな鍔ぜり合いのようにスパーダと押し合うが悪魔がカリギュラを発動した。


「させない!」


 香織が天志を発動する。みんなの前にピンク色のバリアが現れカリギュラから守ってくれた。


「みんな大丈夫!?」


 香織のおかげでみんな無事だ。悪魔のカリギュラも収まるが今度はエンデュラスが力也を襲ってくる。


「てめえ!」


 先回りして星都が防ぐ。だが衝撃に体勢が崩れ力也に当たってしまった。


 その隙に悪魔も動く。両手に持っていたスパーダを放すと遠隔操作でグランは此方を襲い、カリギュラはミリオットと共に日向ちゃんを襲い、その後ミリオットはグランと共に力也を、カリギュラはエンデュラスと共に星都を攻撃した。四つのスパーダがまるでプロペラのように回転した形だ。


 それにより四人とも吹き飛ばされ後退する。


「みんな!」

「俺たちは無事だ!」

「私だって!」

「なんとかね」


 みんな攻撃は防いだようだ。倒されるがすぐに起き上がる。


 そんな中悪魔は中心で立ち続けていた。スパーダは消えることなく悪魔の周囲を旋回している。


 なんなんだこいつは。どうしてみんなのスパーダを持っている?


 それに持ってるだけじゃない。浮遊させたスパーダの扱いや特徴も熟知している。力を増やせる日向ちゃんや力也に二本がかりで攻めたのも事前に知ってなきゃ出来ないことだ。


 悪魔はみんなを見ていたが視線を香織に移すと歩き出した。


「くそ!」


 すぐにシンクロスで切りかかる。だが悪魔も新たなスパーダを取り出す。

 それは俺の――


「コイ、シンクロスゥウ!」

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