プロローグ
死んだ理由はすごくしょうもない理由だった。
ものすごい豪雨の日にテンション上がって暴風豪雨の中自転車で外に出かけた俺は、道路の境目がわからなくなってどっかに落ちたというものだ。
泳げるから大丈夫だと思ったけど、もちろんそんなことはなく......。
そこからの記憶は曖昧で、その後死ぬまでの間どんな感じだったのかは覚えていない。
ついテンション上がってしまってやってしまったけど、家から出なきゃよかったとすごく後悔しいてる。
想像していた死後と違って、死んでからの世界も手続き的なことをしないといけない事が地味に面倒だった。
名前を書いたり、タブレット端末のようなものを渡され、アンケートというか、死んだ後の一応の希望とか色々なことを書きながら順番を待っているところだ。
なんか役所に何か申請したりするときに書く書類のような面倒臭さがあったが俺の今後どうなるか決まるものだろうからちゃんと隅から隅まで読んで書いた。
その中に転生希望をするか否かという欄があった。
転生するという選択肢には、転生と異世界転生の欄があり、転生の欄には転生先の国や地域、あと基本的に前世の記憶は消えてしまうと書かれている。
異世界転生の場合は0歳からやり直すか、やり直す場合、前世の記憶の有無。現在の年齢や記憶のままの転生(転移)と書かれている欄があった。
異世界転生の欄には他に、希望する特殊能力を1つ書く欄があり、これは必ず希望通りのものが1つだけ与えられると書いてある。
なぜ異世界転生なんてものがあるのかは知らないが、どう考えても異世界の方が確実に有利に人生を再スタートできると思ったのでそれを選んだ。
死んでしまったから、もう家族や友達には会えないけど、それでも生前の事を忘れたくなかったから普通の転生を選ばなかったというのも、ほんの少しだけある。
それを書き終わった後も結構長い時間待たされた。
時計は無かったから分からないけど体感的には2時間半くらい。
順番が来たら行き先の書いた地図と、おそらく異世界の地図と思われるものと、『説明書』と書かれていなければ、辞書だと勘違いしてもおかしくないくらい分厚い本の様なそれを渡された。
その地図の案内通りに着いた場所には扉があり、地図の目的地の赤い印に矢印で扉を開くと書いてあった。
恐る恐る扉を開くとそこは異世界だった。
誤字とかはおいおい訂正します。ブクマ等いただけると嬉しいです!
文字制限ギリギリのタイトルで一回やってみたかったので書きました。なので多分更新頻度は低いです。