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オタクは修羅場をくぐるべし  作者: 朔夜☆彡.。
1章 始まりは曲がり角
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第一話


『大変申し訳ございません』


俺はベッドに座る桜に、床に這いつくばって土下座をしている。俺は頭を床に擦り付けてながら謝り続けた。


『桜の部屋だとは知らずに出て行けと言って申し訳ございません』


俺はひたすら謝った。しかし中々許しては貰えなかった。当たり前である。それだけの事をしたのだから...


『そんなに許して欲しいの?にぃー』

『いや、別に』


俺は土下座の体制のまま顔を上げてそう言い切った。普通ならここで謝り続けて許してもらってハッピーエンドで終わらせるのが定番。しかし!俺は一本進んだ道に進みたい!そう思っての発言である。


『そうなんだ...』


桜が俺にジト目を向けてくる。本当に桜はその場に適切な発言や表情をする。しなくてはならないのだ。女性なら尚更だ。関係がギトギトしている中に俺みたいな場も考えず常識に囚われない反応をしていたら交友関係は成り立たない。そう!故に俺はぼっちなのである。


『痛い痛い痛イイ"タ"イ"イ"タ"イ"!!』


桜は俺の背中を踵でぐりぐりと押し付けてくる。物凄い力である。新しい刺激は欲しいけど物理的な刺激はやめて欲しいかも...


『素直に謝らないからだよ』

『悪かった、悪かったと思ってます』

『本当に?』

『あぁ本当だぁああ痛い痛い"イ"タ"イ"イ"タ"イ"』


桜はもう一度思いっきり踵を押し付けてくる。さっきまでより遥かに強い威力で...


『なんでまた踏むんだよ!』


再度踏まれるのは想定外だったので反射的に

俺は土下座をやめて立ち上がった。


『意味は無いかな?』


桜は首を傾げてながら言った。俺はもう苦笑いしか出来なかった。


『じゃあこの話はおしまい!それに、明日から学校でしょ?高校生活楽しみなさいよ!』


桜が珍しくまともな事を言っていた。さっきも言ってたかもしれないが痛さで話の内容が入ってきてない。


『勿論!楽しく3年間過ごしてやる』

『はいはいそうですねー』

『なんで棒読みなんだよ!』


桜は呆れた顔でいた。俺は至って真剣なのに。


『だってにぃー中学友達いなかったじゃん!』


ぐはぁ...なんて事をストレートに言うんだ。確かに友達なんていなかったよ。けど楽しかったよ。たのしかったんだよ。タノシカッタヨネ?。思い返してみると闇に葬りたい過去ばっかりだった。しかし!


『けど友達がいるから楽しいって訳でも無くないか?』

『いるかいないなら、いた方が楽しいと思うけどなぁ』


桜もやっぱり女性である。友情を優先している。それがいいか悪いかはその人次第だがそんな友情に拘束されていつか爆発しないか心配である。


『とにかく明日早いからもう寝よ』

『確かにそうだな』


俺は寝るために俺の部屋に戻る。今度は大丈夫だ、確実に自分の部屋である。なんだかとっても疲れた。


『はぁ...疲れたぁ〜、それにしても桜のやつ部屋の内装同じとか分かりずら過ぎでしょ』


そのせいで今夜は面倒な事になってしまった。完全に俺のミスではあるけど内装が同じだとどうしても全部俺のせいでは無いと思ってしまう。


『よし寝よう!』


俺がベッドの掛け布団を捲った瞬間俺は驚きのあまり大声を出しかけた。あいにく口を両手で塞がれ、そのまま布団へと引きずり込まれた。


『お前どうやって入ったんだよ』


俺の掛け布団の中にいたのは桜だった。どうやって入ったかも分からないが俺が廊下に出て部屋に入るまでの短い時間で良くここまで出来ると関心してしまう。


『ほら寝よ?』

『寝るからお前は出ろな』


桜はあからさまに頬を膨らませた。普通の人なら可愛いと言って惚れるのかもしれないが残念な事に俺は見飽きている。


『その手には通用しないからな』

『むむむぅ〜ならこれなら!』


桜は俺に抱きついてきた。かと思ったら関節技をかけてきた。本当に何をするか分からないな...


『痛いって!ギブギブギブギブ!』


桜は完全に怒ったらしく中々やめてくれない。


『ほんとにギブ!』


俺はベッドを叩きながら踠くが締めが強くなる一方。もう限界だと思った瞬間、完全に限界を迎えてしまい気絶した。

こうして、高校生活スタートの前夜は気絶という形で眠りについた。もうこんな寝方はしたくないな...




『にぃー?寝たの?ねぇねぇ?起きて』


桜は俺の体をユサユサと揺すったが俺はピクリともしない。気絶してるのだから当たり前である。しかし桜は俺が気絶した事に気がつかず寝たのだと思い込み、朝まで俺の腹の上で寝ていた。

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