プロローグ?
『はぁ...これもか...』
俺は自室のベッドに横になりながら小説を読んでいた。小説と言っても経済や政治などが書かれた難しいものではなく、簡単に手軽に読めるライトノベル。通称『ラノベ』と呼ばれている小説である。何故ラノベを読んでいるかと言うと俺はラノベが好きだった。そう、好きだったのだ。ある時を境にラノベのほとんどがありきたりな内容になってきたからだ。ラノベを読めば読むほどそれを実感出来る。
『はぁ...現実じゃこんなに上手くいかないって』
俺はそう呟いてしまった。分かってはいる、ラノベはフィクション、作者の想像が物語になる。都合のいいのは当然である。今読んでるラノベだってそうだ。ハーレム恋愛系の内容、この時点で都合がいいのだ。ハーレムを嫌う男性なんていないと思う。複数人の女性とイチャイチャできる、そんな夢のような世界。俺も自分がハーレムだったらと思うと頬が緩んでしまう。
『小説読みながらニヤけるとかキモいよ?』
いかんいかん。落ち着いて深呼吸をして声のする方に顔を向けた。
『いいだろ!そんなの俺の自由だ』
『確かに、にぃーの自由だけどさ...近くに居る人の身にもなって欲しいなぁ』
『はぁ?なら桜がこの部屋から出ていけばいいだろ!』
俺は桜に少し声を張り上げて言った。桜とは誰だよ!?って質問が来そうなので答えるとあまり他人には言いたくない関係です。しかし、それは今関係ないので置いときます。
『何言ってるの?にぃー?』
『何って普通のこと言っただけだぞ』
『まだ高校生なんだからボケないでよ...』
『ボケてないし!普通だし!』
桜の言っている事が理解出来ない。一緒に居るのが嫌なら出ていけばいい話。何故理解してくれない。
『本当に分からないぽいから言うね...』
『あぁ』
翔馬(主人公)はこの後衝撃な事実を知る事になったのだった。
『って勝手に終わらせるなぁ!』
『ええ〜ノリ悪いねぇ』
『ノリがいいから反応してやってるんだろ!』
『にぃーはロリがいいのね?そうなのね!もしもし警察ですか?ここに変出者がっ はぅっ!』
俺は桜の頭を軽く叩き、ベッドから起き上がりそのまま床に立ち上がった。
『冗談はそれまでにしとけ』
『はーい、それでいきなり立ち上がったけどにぃー何処いくの?』
『トイレだよ』
桜はコクリと頷き頑張ってねと見送ってくれた。何を頑張るのかは知らないがとりあえずトイレに向かう。その時、やっと俺は桜の言っていた事を理解した。