イノセント・キラー
塔の階層クリア後一度外に出てきました。
よく考えたらクエストしなきゃでしょ?
ということで我が愛しのモンブラン。アリア様に会いに行こう!
歩きながら街の様子をじっくりみる。
召喚獣のナイトは頭の上で爆睡。従魔であるラックは、一旦フモモの<アリスのお部屋>に入れている。意外に広い部屋だった。ファンシーすぎて住む気にはなれないけど...
うーん。なかなかいいなー。
城下町!活気があって!
さてさて到着しました。冒険者ギルド。
巨大ボディービルダー像を抜け受付を目指す。
お!アリアさんだ!やばぁ!!
手を振ってくれてる!お胸がお胸が!!
「変態。」
ぞくっ!?
振り返ると目力バッチリのテッサ様が後ろに...
「えっと...すみません...テッサさん。」
何も言わずそのまま受付内に行くテッサ。
(あー怖かった....隠密的なスキルかな?全然わかんなかった....)
「ただいま戻りました。アリアさん。」
「はい。おかえりなさいませ。とりあえずお話がありますので一度別室へ参ります。こちらへどうぞ。」
アリアに挨拶すると奥の部屋に案内された。
(こ...これはなんかいけないことは始まるのでは!?)
「おう!待ってたぞ。入れ入れ。」
部屋に行くと屈強な男が座ってた。
期待してたのと違う....
「えっと失礼します...」
中に入るとアリアさんも一緒に入って、扉を閉めた。
「お前さんが大型ルーキーか...単刀直入に聞くぞ?フォレストビッグモンキー倒したのはお前だな?」
アリアの顔を確認するがニコニコしてるだけ。
「....はい。なんかすみません。」
「すまんな。勘違いすんなよ?ただの確認だ。お前さんのギルドカードを発行した際にすでにわかってたことだ。一応形式で確認しただけだ気にすんな。」
男は椅子に深く座りなおした。
「一番聞きたいのはな。お前の背負ってるそのぬいぐるみだ。」
なぜフモモの話?
「えっとこの子は召喚獣でして...何か問題ありましたか?」
「そのぬいぐるみは「アリス」に連なる聖遺物じゃないか?」
おっと...ここでアリス!?何があるんだ??
「えっと...そうですね。フモモ。この子はアリスの宝匣です。」
サーっと部屋の温度が下がった気がした。
息が苦しくなる...
「なるほど...お前さんは≪災厄≫を起こすつもりはないか?」
災厄??
何のことだ?
ゆっくりと部屋温度が戻っていく気がする。
「その様子だと知らないな。とりあえずそのミミックがいる限り必ず関わるだろうから教えておく。≪アリス≫というのは神話ダンジョンバロルに住む神話級モンスター「イノセント・キラー」の総称で呼ばれ化物だ。」
し...神話ダンジョン....
アリスって神話級モンスターだったんだ。
「《災厄》と呼ばれるのは理由がある。元々この世界にはバロルの塔が現れる前から別に様々なダンジョンが存在していた。
その中の絶望級ダンジョン「アリスワンダーランド」その最下層ボスがダンジョンマスター≪アリス≫。バロルの塔ができてからある事件が起こるんだよ。
神話ダンジョンの攻略。しかも元々あったダンジョンマスターたちによる攻略。
その中に≪アリス≫もいた。あいつは攻略に踏み出した奴らを....敵味方問わず虐殺しながら登って行った。このことは他の絶望級ダンジョンマスターが教えてくれたことだ。つまりここまで到達したダンジョンマスターたちがいるんだ。≪アリス≫も同じく。」
男はゆっくりと息を吐く。
「アリスの暴走は止まるものではなかった。ダンジョンマスターも戦いはしたそうだが、倒しはしなかった。その戦闘の際、《アリス》は落としたんだ。背負っていた【ぬいぐるみ】を...」
なぁ!!!!!
つ...つまり....
「奪い返しにくる可能性がある。そして虐殺をした武器もそのリュックから出てきたらしい。つまり悪夢を再現することが可能なんだ。他の絶望級ダンジョンマスターに「虐殺」と言わしめるほどの事件を起こしたサイコヤローと同じことがな...」
やばいやーん!!!!!
「つまりは最悪最強のモンスターから狙われるわけですね。しかもダンジョン内で。」
そう。アリスは到達してるのだ。まだ冒険者たちが下から到達していない500層のセーフエリアに。そして今もどこかに。
「思ってる以上にやばそうですね...」
「ああ。だから一応俺と顔合わせしてもらったわけよ。自己紹介遅れたが俺はギルドマスター マッスル 。何か少しでもアリスを確認したら報告してほしい。この≪イヴ≫の街を≪アダム≫の街も災厄をおこさせたくねぇ...」
「わかりました。とりあえずアリスについては気に留めておきます。」
「頼むぞ。フォレストビッグモンキーの討伐報酬があるからな。この後受付でアリアから受け取ってくれ。」
そのままマッスルは部屋を出て行った。
(あーやばい話だったな...というかこれってメインクエスト?NPCにしては人間らしすぎるし...)
「えっとこれはメインクエストってことで間違いない?」
『お答えします。メインクエストはプレイヤー様ごとに違います。またNPCですが1人1人が人工知能による学習機能を搭載してます。喜怒哀楽がございますのご注意ください。』
なるほど....
「では、パンドラ様。受付までお越しください。」
アリアが受付まで歩き出す。
(あちゃー質問聞かれたな...変な奴だと思っただろうな...)
その後報酬を貰いホクホク顏だ。
なにせクエストを受けてないのに報酬をもらえたし、一角兎もクエストがあった。
とりあえずどっかで宿泊しなきゃとアリアにオススメを聞いて、宿に向かうことにした。
「大いなる抱擁」という何を意味してるのか気になる名前だが、宿に到着してわかった。
これは大いなる抱擁だ!女将さんもお手伝いの方ももれなくふくよかなのだ!
どこがとは言わない。想像してくれ。
ただこれだけは言おう。モンブランはいっぱいあると!
この後無事宿泊できました。
プレイヤーがいなかったのでモンブランは独り占めです。
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パンパンパンプキン〜♪
パンパンパンプキン♪
顔は切り抜いて作ろうね。
最初はおメメ
お口もいるよ〜
パンパンパンプキン♪
中身はぜーんぶ
いーーーーーらない♪
ギルドマスターマッスル!!
すみません。名前つけるの苦手なんです....
笑ってあげてください。
一応ギルドの正面のボディービルダー銅像はギルドマスターの趣味です。
懐かしいです。
高校生時代にガラケーで某ケータイサイトに小説投稿したのを思い出します。
ホラーでしたがw
確か題材は『花一匁』結局完結できませんでしたが...