朱い街
夕焼けがきれいだと思いますか?
ぼくが暮らすのは朱い街。
ぼくらはみんな、そこで暮らしている。
朝も昼も黄昏も夜も、真っ赤っか。
真っ赤な空、だから白い雲に写る色も、赤。
真っ赤な空、だから透明な海に写る色も、赤。
真っ赤な空、だから灰色の街に写る色も、赤。
真っ赤な空、だからぼくの肌に乗る色も、赤。
燃えるような空。
四六時中。
飽きちゃうなあ、退屈だなあ。
だけどある日、そんな空から雪が舞い降りた。
雪が散らつく度、焔の色が褪せていく。
そしていつの間にか、空の朱は、蒼に変わっていたよ。
また雪が止む頃に見上げた先には、きれいな青空。
ぼくが暮らすのは、蒼い街。
ぼくらが暮らすのは、蒼い世界。