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相槌を打ちすぎる男

作者: tom
掲載日:2016/03/12

短いです。

 その男に出逢ったのは、一週間遡る。

仕事で取引先の人を接待しなければいけない時、奴は突然現れた。

 黒い皮の昔ながらのソファアに腰掛け、お尻がどこまでも沈み行くその間

奴はこちらを見もせずにただ、男のくせにと難癖を付けたくなる程、両足をぴたりとそろえ首を上から下に動かし始めた。まるで何かに取り憑かれたかのように‥‥。


テーブルに並んだ湯のみ茶碗の水面が次第に波を打つのを目前に、一瞬その男の顔を見た。


『ゴホン』

この中で恐らく一番年長の小太りで白髪混じりの上司がわざとらしく咳をする。

『え〜では、こちらの件に関しましては‥‥』


真面目な話をしている最中でも、その男は髪を宙へ浮かせ‥‥かっくん‥‥かっくんと首をおおげさに

振る。


私はそれを見てみぬ振りを一生懸命するばかりで、まったく会話の内容が耳に入ってこない。


上司の長年積み重ねて来た何かがここで発揮されている気がして、そこだけは少し羨ましくも思った。


所謂、スルースキルの高さだ。


 取引先に失礼があってはならない。


肝に銘じて下唇を軽く引っ込めた。


しかし、目の前に居る男は明らかに規則性のある動きを続け、それはこちらを小馬鹿にしているようでもあった。


なんという憎しみ‥‥。

生まれてからこれまでここまでの憎しみを他人に抱いたのは初めてと言っても過言ではなかった。


あれから時計に目をやれば5分以上は経過している。


にも関わらず、奴は態度を全くと言って変えない。


堪忍袋の緒が切れそうになったとき


奴はすっと立ち上がり、私の目をまっすぐ見た。




 その時のことを思い出す度、私は胸がキューと締め付けられる。


自宅でゴロゴロしているとインターホンが鳴った。

玄関を開けると


あの男が立っていた。


『も〜遅い、待ってたよ〜』


甘ったれた声で男を迎え入れたのは紛れもなく私自身だった。


そしてその男は会釈とも取れるような感じで首を上下に振った。



end





読んで下さった方、ありがとうございます!

当初から、変な男と嫌気が指していた主人公(女)。

しかし、どうにかこうにか恋愛に進展してしまうという男と女の奇妙な出逢い頭を描いた作品です(笑)

私としてはこんな人嫌だと思っていますwww

分からないもんですね、恋ってって勝手に思ってます。


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