番外・とある休日ニート病
「やる気でなーい」
今日は日曜日。
可奈は朝からゴロゴロ。
憂鬱なのはコッチだ。
毎日朝から晩まで働いて……ほぼ遊びに近いが。
「和也〜、課題……よろっ☆」
「いや、よろっ☆じゃねぇわ!自分でやれアホ!」
よろっの後には「キュピンッ」という効果音が付いていたような……。
気の所為だな。うん、気の所為だ。
「だってめんどくさいんだもん〜」
課題楽しむ奴いないから。
誰でもめんどくさいから。
「わからないところは教えてやるから、自力でちょっとはやってみろ」
「は〜い」
なんで今日こんなに活気ないんだコイツ。
いつもなら「課題とか楽勝!」ってなって……ないな。
間違えた。「課題めんどくさーい」だった。
うん、変わらないわ。
「和也ここは〜?」
「ん?そこの何がわからないんだ?」
「答え」
「そうか、そこの答えは〜……じゃねぇ!何ちゃっかり答え聞こうとしてんだよ!」
危ない危ない。
もう少しで言ってしまうところだった。
「ちゃっかりって、アンタが勝手に言ったんじゃない」
「あ、あぁそうか……いやいや!お前聞いたじゃないか!全部俺に責任を押し付けるんじゃねぇ!」
前に俺が勝手に言ったことはあったが今回は、違うぞ。
なんなんだコイツ。
五月病か?
いや、今秋だぞ。何ヶ月前だと思ってんだ。
「はい、次。ここは?」
「自分でやれ」
「ケチー」
ケチって言われてもな。
俺が全部言ったんじゃ意味ないし。
「はぁ……そろそろ昼飯作るか。何がいい?」
「えー、なんでもいいー」
「なん……だと!?」
今俺の眉間にはシワがより、背景は雷だったことだろう。
コイツが魚料理を希望しないだと?
天変地異の前触れ?
巨大隕石の衝突?
寒気がしてきたぞ。
「作るんだったら早く作って」
「お、おう」
な、何を作るべきなんだ。
昼だし炒飯とかか?
アイツは海鮮好きだしな、塩焼きそばとか?
どうしたらいいんだ!
まぁ適当になんか繕うか。
15分後
「で、出来たぞ」
皿にのっていたのは……。
いつか見た超危険物質。
「……これは……なに?」
可奈が指を指しながら俺に問う。
「いや……何がいいのかわからなくて、適当にしたらこんなことに」
「ふ、ふーん……まずっ!」
一口食べた可奈の言葉は不味い。
初めて言われた。
「アンタ、スランプなんじゃないの!?」
「は?」
スランプ?料理に?
仕事じゃないのに?
「スランプよ!治るまでは私が作ってあげるから!アンタは座ってなさい!」
いや待て待て待て。
超危険物質をまた食えというのか?
死ぬぞ俺。
「いいよ、俺の仕事だし」
「座ってて」
「……はい」
目怖っ。
5分後
待つだけってのも暇なんだな。
すると、なにかの破裂音がした。
パアァァァァァン!!!
何事っ!?
まさか可奈に何かあったんじゃ!
走って厨房へ向かう。
そこに居たのは……コゲか何かで黒ずんだ可奈だった。
「さっきの破裂音は何?」
「和也に美味しいって言ってもらいたくて……色々入れたら……その……爆発が」
料理で爆発って何。
コイツは……ホントに。
手のつけ用がないな。
「プッ……アハハハハッ!」
「なっ!なんで笑うのよ!」
笑う俺に少し怒って……少し照れて可奈が言う。
「いや……悪い。あまりにも理由がアホらしくて」
「だからってぇ〜」
少し涙目。
「まぁまぁ、おかげでスランプも吹き飛んだわ」
「ホント!?」
「あぁ、ホントだ」
目を輝かせて言ってきた可奈に俺は肯定した。
「作り直すからちょっと待ってろ」
「うん!」
人の為にここまで頑張れるっていいことだよな。
コイツの……いいところだよな。
「ありがとな」
ボソッと呟く。
「何か言った?」
「いや、何も」
礼を言うのはまだ早いかな。




