百合との水着回はテロに変更しました
日曜日。
「可奈ー!起きなさーい!お友達よー」
可奈はまだ寝ている。
そして俺の状況は地獄。
「な、なぁ巫女?今日は何しにここへ?」
「は?可奈様に会うために決まってるでしょ。お前みたいな奴に用はない」
朝から随分と飛ばしてくるね。
俺は堪えるよー。
「なぁ、なんでそんなに俺を嫌うんだ?」
「男だからだよ」
「男だから?この扱いは俺だけじゃないのか?」
「そんなわけないでしょ。男全員よ。性欲に溺れた汚い生き物じゃない」
全員がそういうわけじゃないぞ?
コイツ、見た目はいいんだから普通にしてればモテてそうなんだがな。
百合だししょうがないか。
「なぁ……お前は昔男絡みで何か」
「ふぁ〜ぁ。おはよう和也、巫女」
そこまで言ったがちょうどよく可奈の起床。
「可奈様っ!寝巻き姿も美しいです!」
「ありがと。和也、早く手伝って」
寝起きのコイツはローテンションだからな。
巫女の褒め言葉に楽に返していた。
「あ、おう」
一応言うが可奈の服が着れないのは変わらない。
進歩なしだ。
客室から可奈の部屋へ移動する。
いくら6月で今日が晴れているからって、その格好は少し冷えるんじゃないか?
という感じにミニスカート。
馬鹿は風邪ひかないらしいし大丈夫か。
頭良くてもキチンと予防すればひかないと思うけどな。
迷信か。
寝巻きを洗濯の山に重ね、客室へ戻った。
「あれ?可奈様さっきと服が違って……」
「えぇ、和也に手伝ってもらったの」
サラッと自白しやがったなコイツ。
「ててて、手伝ってもらった!?須藤和也!貴様やはり可奈様に手を出していたのだな!?」
「はぁ!?なんでその結論になるんだよ!」
「さては着替えを手伝い、興奮した状態で可奈様に飛びつきあんなことやこんなことを!」
そう言いながら巫女は揉む仕草や、手で穴と棒を作り出し入れしていた。
「ふざけんな!そんなことしてねぇよ!」
話の内容のわからない可奈は首を傾げる。
「アナタ達いつの間に仲良くなったの?」
『なってない!』
ハモる。昔の俺と可奈みたいだ。
可奈が俺を軽蔑していたのは俺が悪いのだが。
「ふんっ!やっぱり男はみんな不純物です」
そう言って巫女は椅子に座った。
「だから、違うって言ってるだろーが」
俺も座った。
「巫女、今日はどんな用でうちに?」
「それはもちろん可奈様に会うためです!」
「そ、そうなの?」
「はい!ショッピング行きませんか?」
いきなりの誘い。
断るに断われないと思う。
「そうねぇ、水着も欲しかったし行きましょうか」
「やった!あ、でもこの須藤は置いていきましょうよ」
ゴミクズに進化した。パンパカパーン。
ハァ。
「残念ながらこのゴミクズもついて行くぞ」
「なんでですか?あ、ストーカーなんですね。今すぐ110番を」
「違うわ!俺は何があっても可奈について行くと決めたんだよ」
「なにそのかっこよさそうな台詞。アンタが言ってもかっこよくないよ?」
「かっこよさなんか求めてねぇよ!」
ここで黙っていた可奈が。
「え?和也はすごくかっこいいわよ?」
「は?」
「へ?」
俺と巫女唖然。
な、ななな、何をしてくれとんじゃおどれぇぇ!
色々ややこしくなるぞこれは!
「可奈様はこんなのがいいんですか!?」
「えぇ、まぁ裸の付き合いもあるし。イケメンじゃない?」
ここでそれを言うなぁぁぁぁ!
それは今の状況だと……。
そう思い、巫女に視線をずらすと案の定。鬼のような顔をしていた。
「すーどーうー?」
巫女は素早くポケットからバタフライナイフを取り出した。
「なんでそんなもん持ってんだよ!ちょっと落ち着け!」
「この状況でどうやって落ち着けと!?ナイフは護身用よ!」
どんどん近づいてくる。
俺も席を立ち、なんとか落ち着けようとする。
「待て待て、それは危ないから」
「わかってる!」
失敗。
巫女が俺の目の前まで来た時。
死を覚悟した。
しかしその覚悟とは裏腹に巫女は足を絡め、こちらに倒れてきた。
「うおっ!?」
顔の真横にはナイフが突き刺さっていた。
手には柔らかい感触。
ぷにっ。
「須藤…………殺す!」
目がマジだ!
「ちょ!待て!落ち着け、不可抗力だ!」
「カンケーない!」
ナイフを顔に向かって振りおろしている。
特に速くもなく、動体視力はいい方なので間一髪でかわす。
しかも可奈の横では、いつ来たかわからない美緒がなにか耳打ちしていた。
それを聞いた可奈は顔を真っ赤にして止めに入った。
「巫女!やめて!」
「可奈様……失礼しました」
その後も色々あった。
美緒はいなくなってるし誤解の増える発言も多々あった。
デパート
「これとかどうかな?和也」
「似合ってると思うぞ」
「和也それしか言わないじゃん……」
「いや、だってわかんねぇし」
食料品など必要な物は買い終わり、ただいま水着にございます。
「可奈様!これなんていかがでしょう!」
巫女が持ってきて可奈が着るというシステム。
俺は見るだけ。
男性読者様には羨ましく見えるかもしれないが暇だぞ?これ。
みんなも気をつけてくれよな。
「和也これはー?」
まだ俺に聞くのか。
そして可奈が着ていた水着は……恥部がギリギリ隠れる程度のもの。
「ぶーー!お前!なんて格好してんだよ!」
「あっ、違う反応になった。これにしよっ♪」
「いやだめだ!違うのにしてくれ!」
「これくださぁーい」
「あぁぁぁ!やめろぉ!」
俺の足掻きも虚しく、可奈はその水着を購入した。
巫女は買っていないようだが、可奈の姿を見て涎を垂らしていたぐらいだし、満足だろう。
「さて、帰りましょう」
可奈のその言葉とともに爆音が鳴り響いた。
「なっ!何!?」
《全員動くなぁ!ここは俺らが占拠した!》
デカイ声で放送された。
マジかよ、こんな日にテロなんて……。
俺は唇を噛み締めた。
その唇からは血が流れ出ていた。




