カラオケ対決!景品は下僕券!?
今日も平日。
またも雨の降る日。
またも傘を忘れた可奈。
勘弁してください。
下校途中、俺は右半身が濡れている。
「アンタちゃんと傘の中入りなさいよ」
「誰のせいでこうなったと思ってるんだ」
「……ごめんなさい」
この前にもあった会話だった。
その時、突然の強風。
もちろん俺の傘はいい傘じゃないので、骨が折れた。
「まじか……。一旦雨宿りしようぜ!」
そう言って可奈の手を引き、カラオケ屋に入った。
「らっしゃっせー」
中へ入ると、元気はいいがなんて言ってるのかわからない研修生が出迎えてくれた。
「お二人様ですねー。それですと…カップルコースなんて如何でしょう?」
ここってカラオケ屋だよね?と聞きたくなったものの、なんとか抑えた。
「カ、カカカッ、カップルコース!?」
動揺しすぎだろ。
もともとはただの雨宿りのつもりだったが……まぁ、まだ止みそうにないしな。
「じゃあ、それで」
「カカカ、和也!?」
それの方が安いし。
節約したいし。
「それではこの番号の部屋へどうぞ〜」
案内しないのかよ。
「ごゆっくり〜」
時間指定があるのにゆっくりするわけないだろ。
もうちょっといい研修生雇ったらどうだ。
店長に言ってやりたい。
そんなことは一言も言わず、部屋へと向かった。
部屋自体遠くはなく、どちらかと言えば近いところにあった。
「和也……カップルコースでよかっ」
「どのコースよりも安かったじゃん」
赤かった可奈の顔が一気に怒りの表情へと変わった。
「あっそ」
え?悪いこと言ってなくない?
「和也、カラオケ勝負しましょう。負けた方は今日1日下僕ね」
俺はほとんど下僕に近いんだが。
まあ、音痴なわけでもないしやるか。
「オーケー。それで?なんの歌で勝負するんだ?」
「なんでもいいわよ、好きなの選びなさい」
好きなのと言われてもなぁ。
音楽なんか聴くことほとんどないからなぁ。
「俺、あんまり知らないから選んでもらえると助かる」
俺がそう言うと可奈はため息をつき、歌を入力した。
勝負の内容は、同じ曲を20曲。
1つ1つの点数で、勝ち星の多かった方が勝者となる。
まずは可奈の好きなボカロ曲。
なんで知ってるかって?
散々聴かされたからだよ。
「ーー♪ーー♪ー♪ーーーー♪」
綺麗な歌声。
結果は……95.2点。
ヤバイ、負ける気がしてきた。
俺も同じ曲を歌う。
87.6点。
その後の19曲でも、俺が勝つことはなかった。
「お前……歌上手いな」
「別に」
「ホントに上手いって!すげー綺麗だったもん!」
「そ、そう?アンタもなかなかだったわよ」
照れてる。
さて、そろそろ帰らなきゃだな。
雨は…止んだみたいだ。
代金は俺が払った。
「傘、弁償するわね」
「ん?あぁ、別にいいぞ。このくらい」
「いいから!今度選んであげるからついてきなさいよね」
「へいへい、わかりましたよ」
そんな話をしていた。
しかし、覚えていた。
「あ、帰ったら色々やらせるから。頼むわよ、下僕クン♡」
その下僕はどんな意味なんでしょうか。
その日も、コキ使わされた。
詳細は伏せておくが、あえて言うならば喘ぎ豪邸の汚名返上が遠のいた。
という事だ。
残り300日。




