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俺の仕事は汚れ役

まあなんだかんだで10日程経っただろうか。5月下旬。

そろそろ梅雨に入るらしく10時頃から雨が激しく降っていた。

「今日は予報で雨だったけどここまで強くなるとはなぁ。お前も持ってきたんだろ?」

隣の可奈に話しかける。

「えっ、う、うん」

「なんでそんな焦ってるんだよ」

「べ、別に焦ってなんかないけど?」

焦りすぎだろ。

丸分かりだわ。

「まぁ、いいけどさ。おっ、次の時間体育じゃん。着替えなきゃな」

そう言って自分の体操着を取り出した。

「あ、忘れた」

この可奈バカは忘れたらしい。

テストの点数悪いし、忘れ物したら大変だよな。

「ほれ、着ろ」

自分のを投げる。

「え、でもアンタはどうするのよ」

「あー、俺は適当に言い訳すればなんとかなるよ。お前より点数もいいしな」

最後のワンフレーズにはムッとしたようだが少し赤くなってボソボソと呟くように言った。

「ぁ……ぁりがと」

「おう」

俺は無意識に可奈の頭に手をおいていた。

なんでだ。

本能的な?

まぁ、いいとして。言い訳してこなきゃな。

というかアイツ体操着は自分で着れるんだな。

ちょっと意外。

そんなことを考えながら体育担当教師のところへ向かった。


「スイマセン。体操着忘れて……」

「うーん。まぁ、今回はよしとしよう。次からはないようにな」

「ウッス」

これでOK。

適当に座って見学した。

その日の清掃時間。

こーゆーのは嫌いじゃない。

綺麗に保つのはいいことだ。

俺は普通に掃除をしていたのだが……。

「キャアッ!」

女子の悲鳴と一緒に聞こえたのはガラスの割れるような音。

確かこの教室には花瓶があったはず。

花瓶のあった方を向く。

そこには、割れた花瓶と慌てる可奈の姿があった。

「ハァ……」

本当にため息が出る。

すぐに駆け寄って破片を集める。

「触るなよ、切れると悪いからな」

「で、でも割ったのは私……」

「お前が怪我したら俺がいる意味ないだろ。いいからそのまま掃除してろ」

ガラスの破片を集まり終えたところで、担任の……えーと、山吹?がきた。

「なっ!誰だ割ったのは!」

花好きかよ。

「わ、わた……」

「俺です」

可奈が手を挙げる前に俺が挙げた。

周りは意外そうな顔で見ている。

「破片を持って、職員室まで来なさい!」

「はぁ〜い」

軽く返事をしておいた。

「かずやぁ……」

涙目で名前呼ばれても今の状況でどうしろと?

よくわからなかったので、グッドサインだけして職員室に向かった。

「あの花は俺が給料を使って」

「じゃあ、教室に置かなきゃよかったんじゃないですか?」

「お前達にも見せてや」

「誰も望んでませんよ」

2言論破。

山吹は意気消沈した。

「もういい……戻れ」

「失礼しましたー」

普通に教室に戻ろうとしたら可奈がいた。

涙目は変わってなかった。

「どした?もう終わったけど」

「馬鹿ッ!」

思っきり抱きつかれた。

「ぐほぉっ!?」

腹に穴空くかと思ったぜ。

「なんでアンタの評価下げてまでかばうのよ!馬鹿じゃないの!?」

お前より馬鹿はいねーっての。

「だってお前頭悪いし、図太いし、運動神経ないし、自慢できるの顔とスタイルだけだろ?」

「う、うっさいわね!わかってるわよ!」

「これ以上評価下がったら困るだろ。これが俺の学校で出来る仕事バイトだと思うからだよ」

学校ですることなんてほとんどないんだからさ〜。暇やねん。

「ほ、褒めて遣わす!」

「…………アリガタキオコトバー」

「なんでカタコトなのよ!褒めてるのよ!?」

「ワー、ウレシイナァ」

「ホントに失礼ね!馬鹿和也!」

「お前より全然いいわ!」

こんなアホみたいな会話をしながら教室へ戻った。

午後の授業では、特にトラブルはなく普通に終了した。

あとは帰るだけだが、

「あっ、傘がない」

とか言い出した。

俺の傘もそこまでデカくないからな。

まぁ、俺が濡れればいいだけか。

「ほら、アホ可奈。帰るぞ」

「わかったわよ、馬鹿和也」

その後の帰り道はどっちが濡れるかで押し合いをしたが、俺の圧勝。

左肩はビッチョビチョ。

それに車が通った時の水しぶきも飛んできた為、左半身が濡れた。

その日に可奈がドジることはもうなかった。

これからもないことを祈る。

残り320日

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