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Sense And Madness Online  作者: 一二 三四五
◆第四章
45/50

 副団長に連れられて行った先で他のメンバーを紹介してもらう。


「じゃあ、まずは委員長から自己紹介してくれ。センスと名前、それと一応本名もついでに名乗っといてくれ。勿論、レギオンチャットで構わない」


 念のためチャットをレギオンチャットに切り替える。こうすることで、以後の俺の発現は全てレギオンにしか聞こえなくなる。読唇術とか使えればある程度分かるかもしれないが読唇術使いなんてそうそういないだろう。


「初めまして、T・A・T・A・R・Iでタタリと言います。職業は『格闘家』のレベル38。センスは『拳』、『軽装備』、『投擲』、『釣り』、『料理』、『無刀流』、『魔法少女』……それと、本名は漆原 崇です。よろしくお願いします」



「こんななりしてるが、1-Bの委員長だ。……ほら、眼鏡の」

「ああ、委員長か。名前が思い出せなかったお」


 緑髪の背の低い少年が、さも委員長と眼鏡という単語で思い出したような顔で納得して声を出している。……俺って影薄かったんだな。よく委員長と頼られていたのも、単に名前が思い出せなかっただけなのだろう。

 まあ、あだ名なんて長い間使っていたら定着して、ある日突然「お前の名前なんだっけ」とか言ってしまうものだよな。


「悪い悪い、本当に名前が思い出せなかったんだお。今度からよろしく、海原うなばら

「いや、間違ってるから。……もう委員長でいいぞ、それで通じるからさ」

「悪いお」


 この少年の語尾もハムと同様、変わっている。まあ、珍しいものだが特に気にするものではないはずだ、通じているなら問題はない。


「えっと、僕は秋葉あきば 新一しんいち。このキャラの名前はひらがなでめいびい。職業は『マジシャン』のレベル39。センス構成は『受け流し』、『地の知識』、『水の知識』、『人狼』、『大鎚』、『重装備』。みんな、よろしく」


 ああ、ひらがなだったのか。めいびい、めいびい。よし、覚えた。……それよりも、俺よりレベル上だったんだな。結構やり込んでいるんだな。

 そこへマホージンがパンッと手を合わせて皆を注目させる。




「はい、自己紹介お疲れ様です。これからよろしくお願いしますね。私は明石あかし 晶子しょうこ。ゲーム内ネームはマホージンです。よろしくお願いしますね」


 明石はたしかオカルト研究部の部員だったな。科学嫌いな印象があるからゲームはしてないと思ったんだが。

 いや、こんな状況だし、オカルトが関係してるかもしれないな。


「俺は飛田ひだ りょうだ。ゲームではI・D・A・T・E・Nでイダテンと呼んでくれ。委員長、秋葉、改めてよろしく」


 少年に見えたが、その実同年代だった。

 背は恐らくこの中では女子に並ぶほど低いだろう。……今の俺より少し低いほどだ。

 仮に、俺と今の飛田――イダテンが並べば、高校生と言っても信じてもらえないのではないか、と思うほどに。

 そして陸上部。クラスで一番の俊足を誇り、購買戦争(人気パンの奪い合い)で毎度大活躍してくれる。

 ゲームはするが、ゲームセンターでレーシングゲームが主だと聞いていたからVRMMOをしているのは意外だ。


「僕は吉民よしたみ 民吉たみよし。ゲームではたみきちだよ。ひらがなでね」


 吉民は農学部だ。中庭には農学部の畑があり、野菜泥棒の屍を養分に育てていると言われるほど野菜好きな人が部長だったはずだ。あくまでも、噂だが。

 何度か吉民の家に遊びに行った事があるが、機械はテレビと扇風機くらいしか置いていなかったと思う。これまた意外だ。どこにあったんだろうか、VR機なんてでかい箱。


「私は幸田こうだ みちるですっ。L・U・K・C・H・A・Nでラックちゃんとお呼びくださいですっ。ラックちゃんさんでも可ですよっ」


 幸田は帰宅部……いや、賭博倶楽部。放課後も教室に残って、カードゲームにふけっている。

 とにかく運が良い。これに尽きる。VRMMOをやってるのは意外ではないが、ログアウトできない状況に巻き込まれたのは意外と言わざるを得ない。

 購買戦争で賭け事をしていて、よく先生に注意されたりもする。ただし、うちの担任以外の先生だが。


「私は柳堂りゅうどう 神楽かぐらだ。ゲーム内ではH・I・R・A・M・Eでヒラメと呼んでくれ」


 柳堂は帰宅部。確か実家が寺だ。一度遊びに行ったことがあるが、その際、修業にも巻き込まれてしまった事がある。

 滝に打たれるという貴重な体験をしたが、もう味わいたくは無い。余談だが、あれでも普段よりもかなり楽だったらしい。

 普段は熊と素手でやり合うとか何とか……。


「……私は紫藤シドウ 美鈴ミスズ。ミスズでいいよ、よろしく」


 紫藤か……紫藤は確か、図書委員で図書室迷宮探検部第……二部隊だったか。そんな感じの部活をしていたと思う。

 曰く、図書室は魔境。一度迷ったら助けが来るまで延々と迷い続けると言われているらしい。

 しかし、図書室は見た限り普通だ。スペースも教室二つ分しかない。俺も本を何度か借りてるが、一度も迷ったことは無い。それでも学校公認で部費が出る。謎だ。

 噂では第二図書室や第三図書室があるらしいが、学校案内図には書いていないし、おそらく旧校舎に昔あったんだろう。


「ゲーム内の名前出せお、翡翠ひすい堕天使だてんしさん」

「ブッ」


 イダテンが言ったのはミスズのゲーム内の名前だろう。隣に立っている秋葉はそれを聞いて吹き出して笑う。……俺はかっこいいと思うんだけどな。


「ミスズでいいって言ってるだろ!」


 翡翠†堕天使……いや、ミスズがイダテンに短剣で斬りかかるが、イダテンは余裕そうに避ける。ゲーム内でも速いな、さすが韋駄天いだてんの名を付けるだけある。


「呼び名は重要だけど、真名まなも大事なんだっけ?」

「あれは……うぅ」


 ミスズの反論にイダテンが切り返す。すると、ミスズは口ごもった。

 しかし真名って一体何なんだ、心躍るかっこいい響きじゃないか……。凄く気になるぞ。


「……その辺にしておけ、イダテン」


 そう言って副団長はイダテンを右手で後ろに押して、団長と共に皆の前に出てくる。

3か月ぶりの更新です。まだまだモチベーション・コツが戻りませんが、これからも頑張って不定期になりますが更新を続けようと思います。

どうか、よろしくお願いします。

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