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Sense And Madness Online  作者: 一二 三四五
◆第二章
19/50

 部屋まで連れてこられると、そのまま脱衣所に連れ込まれた。それについて抗議するが、俺の抗議は無視される。


「べ、別々に入ってもいいんじゃないか?」

「何言ってんのさ、女の子同士なんだからこれぐらいいじゃないかー! あははー!」


 俺はウィンディとリンゴに魔法少女服を脱がされ、まる裸にされる。胸と股間は手で隠す。

 この時に気付いたが、下着は上がスポーツブラで安心した。このくらいならまだ許容範囲内だ。勿論、自分がつける物としてだ。

 しかし、思ったよりも胸が大きく隠すのに苦労する。そのむねがおおきい事を意識すると顔が赤くなっていくのが自分でも分かる。今の俺はきっと「顔真っ赤乙w」と言われても反論できないほどに顔真っ赤だ。

 下はローレグと呼ばれる類のものだったが、スパッツも穿いていたので、戦闘中にパンチラすることは無さそうだ。今まで気にしてなかったが。

 そして、今後風呂は一人で入ろうと思うが、しかしそれはリンゴとウィンディが許さないだろう。気が滅入る。

 そんな事を胸と股間を隠しながら考えていると、リンゴとウィンディも服を脱ごうとしていたので慌てて目をつむる。


「さー! お風呂に入ろー! タタりんも目をつむってちゃ入れないぞー!」

「無理です無理です無理です」

「問答無用だ」


 目に涙を浮かべ脱衣所を出ようとするも腕をウィンディに捕まれ、そのまま抵抗むなしく風呂場に連行されてしまう。




 風呂場は石畳に木製の浴槽が埋め込まれていて、隅にはこれまた木製の風呂椅子と桶が置かれていた。

 リンゴとウィンディに必死に頼み込んで体はバスタオルを巻いて隠してもらっているので目は開けているが、中身が健全な男子高校生な俺にはそれでも刺激が強い。


「さータタりん! 洗いっこしよう!」

「やめてくださいしんでしまいます」


 リンゴは目を輝かせて言う。これまた必死に頼み込んで、なんとか俺がリンゴやウィンディの体を洗う事態は回避したが、代わりに俺がリンゴとウィンディにもみくちゃにされた。

 そして体も頭も洗った(洗われた)俺は、一足先にお風呂を堪能する。


「ふひー、良い湯だなー」


 自然と頬が緩み、体から力が抜ける。寝具と同じように、風呂に入る事でもSPやMPの回復量は上がる。ベッドで寝るのはこれ以上に気持ちいいに違いないだろう。

 そんな事を考えながらゆったりお湯に浸かっていると、右隣にリンゴが入ってきた。右を見ないようにしつつも風呂を堪能する。気持ちいい……。



「本当は湯船にタオルを付けちゃいけないんだけどねー」

「ごめんな。さすがに女の子の裸を見る度胸は俺には無い」

「あはは、そんな事言っちゃってー。これからその姿でトイレやお風呂に入ると大変だよー。今の内に慣らしておくべきです」

「エレアと同じこと言うんだな……善処します」


 少なくとも今は無理です。いつ鼻血を出して倒れるかもわからない状態なのに、今女の子の裸を見せられたら即アウトになる気がする。

 そういえばトイレとかの生理的欲求も感じるようになってるんだな。戦闘時にトイレに行きたくなったらどうすりゃいいんだろう。


「ふぅ。タタりん、リンゴ、少し右に寄ってくれ。私の入る所が狭い」

「え?……あ、うん」

「はーい」


 リンゴと一緒に右へずれる。そして俺の左隣にウィンディが入ってくる。両手に花と言えば聞こえはいいが、今の俺には拷問である。右も左も凶器だ。

 視界の隅に映るくらいに2人の顔が近い。肌も近い。俺の顔が赤いのは絶対に風呂のせいだけじゃないと断言できる。これで赤くならない男がいたら俺の前に引きずり出せ。無論、風呂から上がってから、だが。


「ふむ、そうだな。早く慣れるために一つ私が手ほどきしよう」


 ウィンディが抱きかかえるようにして俺を胸の前に持ってくる。背中にやわらかい物が当たり、俺の顔が更に赤くなる。抱きかかえられているので逃げ出そうにも逃げ出せない。

 ウィンディのことだから、きっと俺のためとかじゃなくて、自分が触りたいだけだろ。しかし、これは凄くやばい。背中に当たる物とか、胸の前で組んでいる腕のせいで俺の何かが物凄い勢いでガリガリと減って行く感じがする。このままこれを続けたら、俺は大切な何かを失ってしまう気がする。


「……ふむ」


 そしてウィンディは組んでいた腕をほどくと、揉んだ。

 何を揉んだかと言えば、この場で揉める対象は自分自身ウィンディかリンゴか俺ぐらいなもので、自分を揉む意味はおそらく、無い。

 そしてリンゴは……揉む程も無さそう(バスタオル越しに確認して)。

残る対象は俺、俺、俺。というか今揉まれてる。他の事を考えないと恥ずかしい声が出そうになる。もう息を止めるしかない。そうしよう。


「意外とでかいな。この感触は……布越しでよく分からないが、Dか……?」

「意外とおっきーねー、タタりん」

「……」

「って、あれ? タタりん? 大丈夫? ……おーい。……ウィンディ! タタりん息してない!」

「おっと、いきなりこれは刺激が強すぎたか」


 しばらく揉まれた後、ウィンディに解放された。そして肺にたまった二酸化炭素(かどうかはわからない)をはき出し、酸素(かどうかはわからない)を吸い込む。これを2度3度繰り返し、呼吸を整える。


「息ができなくなるほど強く抱いたつもりではなかったんだがな」

「いや、息を、止めないと、声が、出そうに、なったか、らさ」


 まだ整えられていない状態で返事をしたので途切れ途切れになってしまう。が、何を伝えたいかは伝わったと思う。……2人共ニヤニヤと笑っている。


「まあ、そろそろ上がろうか。このまま浸かっていたらのぼせてしまうだろうからな」

「そだねー。タタりんも上がるよー」

「……あいよー」


 そして俺はようやく、解放された。と言っても、この後トイレのやり方だの髪のとかし方だの教え込まれたが。

 その後、浴場から戻ってきたエレアに色々聞かれたが、俺は教えるつもりもなく、エレアはウィンディに弾き飛ばされていた。

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