思春期つめあわせ
ふだんの生活での、ちょっとしたつぶやきを集めてみた。
反抗期
「言うこと聞いて大人しくしてりゃあ、今度は自己主張しろだと。ふざけんな。」
「人の欲望には限りが無いからね。一つ欲望が満たされれば、別の新しい欲望が生まれるか、もっと内容がエスカレートするからね。」
「他人事のように言ってるけど、君だってそうだろう?」
先生
体育の先生は汗のにおい。
美術の先生は絵の具のにおい。
では、数学の先生からは数字のにおいがするのだろうか。
開け
自動ドアが開かない。
「開けゴマ!」とつぶやく。
それでも開かない。
ごま
歯の間にごまが挟まって取れない。
つまようじを使ってもだめ。
ごまよ、いっそのこと私と人生を共にするかい?
一緒に旅に出ようか。
どうか歯の間で発芽しませんように。
そうだ海でも見に行こうか。
そうしたらお前はきっとごましおになる。
嘘と本当
人に嘘ばかりつかれていると、この世界は嘘で出来ているような気がしてくるよ。
今、私がここにいるのも嘘な気がする。
そんな時、誰かが私に本気で好きと言ったら、今度は世界が本当で出来ていると思うだろう。
山盛りフィギュア
フィギュアだらけの家の一角。
まるで兵馬俑だ。
フィギュアを倒れたままにしておくと、死体の山みたいでゾッとする。
フィギュアを立て直すと、東京の雑踏みたいになった。
フィギュアにこれだけ種類があるのだから、人間なんて山盛りわんさかワンダホーだろうね。
そう思いながら、物言わぬフィギュアを、物言わず見つめる。
薔薇
かわいそうな薔薇。
木が弱るから、満開なのにハサミで人間にちょん切られてる。
そして、通りすがりの俺に踏みつけられるなんて。
嗚呼、かわいそうに。
美しい薔薇が、汚れた俺に踏みつけられるなんて。
嗚呼、かわいそうな薔薇よ。
来世は人間に生まれて、薔薇を踏みつけるがいいさ。
永遠の国
永遠なんてないのは分かってる。
でも、物語を書いて自分だけの永遠の国を作ろうとしていた。
美しいものは永遠に美しいままであればいいのに。
しかし、散る花の儚さも、枯れ葉も、終わりも美しい。
人生は追いかけっこ
人の前を喜びが走り、人の後ろを悲しみが走る。
人は喜びを追いかけ、疲れて悲しみに追い付かれる。
追い付いてきた悲しみは、決して人を追い抜かずに並走しようとする。
人は悲しみを追い抜いて、喜びを追い続けようとする。
三代呪うについて
呪いたいヤツの家系が三代続くことを仮定しているけど、それよりも子孫を絶やす方が呪いとしては完成度が高いと思う。




