女神と対話
「で?何故こんなところに私はいるんでしょうか?」
黒いのか白いのか何色なのかもわからない、色を色と認識できない摩訶不思議な空間で、私は何故か正座しちゃぶ台で玄米茶?のようなものを啜っている、白いワンピースのような服を着たこの世のものとは思えないほどの美貌を持つ女性にそう尋ねる。
「えと、何から言えばいいのかしら、、、えーとね、私は貴女たちからすると神様と言われる存在なの」
……
言葉を考えながら言う自称神様と、その言葉に何のリアクションもとらない私がそこにある。
沈黙に耐えられない自称神様は、プルプル震えながら、
「貴女、なんで驚いたりとかしないの?」
「……正直、混乱しているというのと、転生っぽい状況なのは遊んだ乙女ゲーやら小説でなんとなく慣れてしまってるという、そんな状態だから驚くというアクションをとれないのかなと」
私はよくわからないなりに、自称神様がちょっと可哀想に思ってしまったので、現状わかる範囲の自己分析を言ってみる。
「イマドキの子はみんなこんなおちついてるものなの?」
目をぱちぱちさせて自称神様は再度質問してきた。
「私は人の心が分かるエスパーでも他人でもないから他人の心はわからない。まあ、よく大人っぽいとか冷静な人とは言われてたけど」
「あら、そうなのね。確かに実年齢と見た目が比例していないわね。貴女」
こちらに上から下まで視線を寄越し、自称神様はそう言ってきた。
しかし
「大人っぽいとか冷静は見た目関係ないでしょ、というか、何で私はここにいるのとさっき聞いているんですけど?」
多少気にしている見た目のコンプレックスを刺激されてしまったことで、少し刺々しい言い方をしてしまった。
「あ、ごめんなさい、もしかして見た目のこと気にしてたかしら」
「言葉にしなくても良いことは言わないで下さい!」
「ぴゃっ」
無自覚な言葉の刃に切られたような気分になり、つい怒鳴ってしまう。
その怒鳴り声に自称神様は驚いたようで、頭を手で守るようにして奇妙な声をあげる。
「やーっぱりうまく話せてないなぁー」
気まずい雰囲気が漂いはじめた空間に、苦笑混じりの男性の声が聞こえてくる。