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ものごとに 秋ぞかなしき もみぢつつ
題しらず
よみびとしらず
ものごとに 秋ぞかなしき もみぢつつ うつろひゆくを かぎりと思へば
(秋上187)
何事につけても 秋こそは悲しさを感じさせる季節と思うのです。
木々が紅葉しながら、やがてはその美しさを衰えさせながら散って行くのが最後の姿と思いますと。
確かに紅葉は素晴らしい。
しかし、その後には、美しさはしだいに失われていくばかり、最後は何もなくなってしまう。
何やら、人生の悲哀を歌うような、深い含蓄のある歌である。