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けふよりは いま来む年の きのふをぞ
やうかの日よめる
壬生忠岑
けふよりは いま来む年の きのふをぞ いつしかとのみ まちわたるべき
(秋歌上183)
七月八日に詠んだ歌
今日からは、次に来る年の昨日のような日(七月七日)が、早く来て欲しいと、待ち続けなければならないのだろうか。
織姫と彦星、両方の立場で詠んだ歌。
織姫と彦星にとって、一年の希望と楽しみは、七夕の一日だけのためにある。
今日の七月八日からは、幸せな昨日を思い出に浸りながら、来年の昨日が来るのを待ち続けるしかないのである。