7/311
今はとて わかるる時は 天の河
なぬかの夜のあかつきによめる
源むねゆきの朝臣
※源むねゆき:平安時代中期の官吏,歌人。36歌仙の一人。
今はとて わかるる時は 天の河 わたらぬさきに そでぞひちぬる
(秋歌上 182)
七月七日の夜の暁に詠んだ歌。
「これでお別れです」と言って別れる時には、天の川を渡る前から、袖が濡れてしまうのです。
これでまた一年間逢えないと思うと、その待ち遠しさ、辛さに、天の川の水に触れる前に、自分の涙で肘を濡らしてしまう、と言う意味になる。