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涙河 枕ながるる うきねには
題知らず
よみびとしらず
涙河 枕ながるる うきねには 夢もさだかに 見えずぞありける
(恋人一527)
涙が流れ過ぎて枕が流れるような浮き寝になっております。
このような状態ですので、夢でも貴方のお姿がしっかりとは見えないのです。
逢えない辛さが涙となって川のように流れる。
それが枕まで浮かす。
誇張表現と言えば、そうなる。
ただ、なかなか逢えない人を口説くには、これくらいの誇張はするのかもしれない。
いずれにせよ、恋は、普通の精神状態ではないのだから、誇張表現などの指摘は、野暮なのかもしれない。




