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思ひやる さかひはるかに なりやする
題知らず
よみびとしらず
思ひやる さかひはるかに なりやする まどふ夢ぢに あふひとのなき
(恋歌一524)
思いの行きつく境は、遥か遠くになってしまったのでしょうか。
夢路をさ迷い歩いていても、あのお方に逢えることなどないのですから。
夢の世界なら、障害もないはず、だから、逢えるはずと思うけれど、それでも逢えない。
つまり、相手の恋心は、障害のあるなしに関わらず、自分に対してはない、と落胆する。
※当時は、相手が自分に対する恋心があれば、自分の夢に現れると思われていた。




