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かづけども なみのなかには さぐられて
かにはざくら
※かにはざくら:白樺。
つらゆき
かづけども なみのなかには さぐられて 風吹くごとに うつしづむたま
(物名427)
※かづけども:水の中に潜って見ても。
水の中に潜ってみても、波の中では探すことも(とらえることも)できずに、風の吹くままに、浮き沈む玉(波の飛沫)なのです。
浪の飛沫を詠んだ歌。
「なみのなかには さぐられて」の中に、かにはざくらを詠みこむ。
白樺については、全く関係がない。
夏の時期には、さわやかで鮮烈な歌のように思う。




