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玉かづら 今はたゆとや 吹く風の
題知らず
よみびとしらず
玉かづら 今はたゆとや 吹く風の 風の音にも 人のきこえざるらむ
(恋歌五752)
※玉かづら:蔓が相当伸びるので、「絶えず」にかかり、この歌では「たゆ」にかかる枕詞。
※吹く風:音にかかる枕詞。
※音にも:便りにさえも。
今となっては、(私たちの関係は)完全に途絶えたということなのでしょうか。
あの人からは、便りが何も来ないのですから。
男から捨てられてしまったらしい、結果として、待つだけの女になってしまった悲哀の歌。




