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秋の夜の 月の光し あかければ
月をよめる
在原元方
※平安時代の歌人。在原業平の孫。36歌仙。
秋の夜の 月の光し あかければ くらぶの山も こえぬべらなり
(秋歌上195)
秋の夜の月の光は特に明るいので、(暗いと名のつく)くらぶの山も、越えることが出来るでしょう。
※梅の花 匂ふ春べは くらぶ山 闇に越ゆれど しるくぞありける
紀貫之 (春歌上39)
( 梅の花の香りが漂う春の頃は、くらぶの山を闇の中で越えても、花の存在がはっきりとわかる)を意識したもの。
特に深い意味はない歌であるけれど、どことなく、明るく穏やかな雰囲気を持つ歌。
これこそ、古今集の雅、を感じさせる。




