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久方の 月の桂も 秋はなお 

ただみね

※壬生忠岑:平安時代前期の歌人。36歌仙。

久方の 月の桂も 秋はなお もみじすればや 照りてまさるらむ

                    (秋歌上 194)

※久方の:月に掛かる枕詞。


月に生えている桂の木も、秋となれば紅葉となり、それで月はその輝きを増すのでしょうか。


中国の言い伝えでは、月に高さ600丈(約1900m)の桂が生えていると言う。この歌は、その「中国の言い伝えを知る人」でなければ詠めない。当時で言えば、相当に学識の高い人になる。

後世、藤原定家は、壬生忠岑について、古今和歌集の中でも、秀逸であると高い評価をしている。

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