200文字小説集 vol.2 突然の雨にはご用心2(200文字小説) 作者: 日下部良介 掲載日:2021/09/02 電車が着く頃に雨が降り出した。電車を降りた私はバッグから折り畳みの傘を取り出して広げる。 駅舎の屋根の下には雨宿りをしている人が何人か居る。その中に見知った顔があった。同じ会社の先輩。だから行き先は同じ。 「どうしよう…」 入れてあげた方がいいのかも知れないけれど、その勇気が出なかった。結局、見て見ぬふりをしてその場を後にした。 私が着いてしばらくしてからその先輩はびしょ濡れでやって来た。 ごめんなさい…。