28.決着の行方
双子による短時間の喧嘩は未遂で終わらせることができた。こういう時はセブンスのチームワークはずば抜けている。
「「こほん。今から審判を開始する。2人はこっちに来て。」」
そういって手招きする双子の元に歩み寄る三矢と結瑠。三矢はよくわかっていないが結瑠は何が行われるか薄々感づいている為、嫌そうな顔だ。
「「じゃあ、抱き着いて、寝っ転がって。」」
「は?」
「やっぱり。」
その発言を聞いてザワザワしだす観客席、一部では黄色い歓声と鼻を押さえて悶える女生徒がいたが当事者である2人にはそれを感知する余裕はない。
(結瑠君?どういうことだ?この2人はそういう事をさせるのが好きなのかい?)
(そういうんじゃありませんよ。やらない限り終わりませんからさっさとしましょう。)
そう言うと再びグラウンドに横になる2人。そこに近寄った双子は手を繋ぎ、空いている手を二人に向かって突き出した。
「「時よ、戻れ。【時間逆行】」」
そう言うと二人の体が何かに引っ張られるように、そしてテレビの逆再生のように転がりだす。エリア外に出た時の倍は出ていただろうか?そして三矢と結瑠がぶつかった瞬間で止まり、今度は再現するように動き出す。
「じゃあお姉ちゃん、頑張って。」
「うん。【鈍行時間】」
その瞬間、転がる二人の速さが一気に遅くなった。普通だったら急なブレーキでとんでもないGがかかるだろうが、ブレーキをかけたのではなく「時間の進みを遅くした」ので特にGがかかったりはしない。
そのままゆっくり2人が地面を転がっていく。一部女子の黄色い歓声と動画撮影が留まる事を知らないがついにエリアの線を越えて地面に着く瞬間が訪れた。地面に着いた瞬間を倒れた女子生徒を除いて全員が見守る中、その瞬間が訪れた。結果は・・・。
「「・・・これは驚いた。ほんとに二人とも同時に場外。よってこの勝負は引き分け。」」
その宣言の後、転がる二人の速度が元に戻りすごい勢いで転がり始める。戻ってきた二人だが再び目を回していた。多少の時間の後回復した2人は結果を聞いて驚愕したのであった。
5話部分で3年間で勝てなかったら~という部分を削除、変更しました。元々の設定では1年で結果を出せなかったら退学という設定を考えてたのに、変なこと書いてましたね。
短い付き合いになる、という言葉も違和感がなくなったかな?




