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40 堅物エルフ

更新遅れてごめんなさい! 何時も、小説を書いてた機械が壊れたので新しくタブレットを買ってました! まだタブレットのキーボードに慣れていないので執筆スピードが落ちると思いますがご了承下さい!


「ソフィア、そろそろ起きるぞ」


 伸びをしながら起床し、時計を見ると時針は7を指していた。


「んう。あさですか……」


 まだ眠たそうな表情でソフィアが目を擦りながら起きた。


「相変わらずソフィア、朝弱いな」


 俺はからかうように言った。


「本来ならばソフィアは睡眠など一週間に一時間ほどしか必要としないのですが。どうやら、最近は睡眠欲が強くなっているようです。何故かは分かりませんが」


 そう言いながらソフィアはパジャマを脱ぎ、着替えを始めた。


「ちょいちょいちょい、ソフィアさんストップストップ」


「何でしょうか?」


「君、今何処で着替えようとしているか分かってる?」


「何処って寝室......」


 この娘鈍すぎない?


「いや、間違ってないんだけど。君の目の前に居るのは誰だ?」


「え、契約者では......あっ」


 ソフィアはやっと気付いたらしく、顔を真っ赤にして脱ごうとしていたパジャマを着なおした。


「あっ、じゃねえんだよ。あっ、じゃ」


「すみません。お見苦しいものを見せてしまいました」


 ソフィアは俺から顔を逸らしてそう言った。


「いや、全然見苦しくはないっていうか。むしろ、見好いんだけど......」


 ただ、恋愛対象として見ている少女の素肌を少しでも見させられる俺の気持ちをもう少し考えてほしい。


「......見好い?」


「あ、其処は引っ掛からなくて良い。兎に角、ソフィアはもう少し戦闘以外での危機感を持ってくれ。変な奴に目をつけられたら大変だ。ソフィア可愛いし」


「契約者はソフィアを『可愛い』と思っているのですか?」


 だから、其処は引っ掛からなくて良い。


「まあ、客観的に見て可愛いだろ」


 容姿も性格も行動も何もかもがな。


「成る程......ソフィアは契約者から見て、可愛いですか」


「そんなこと覚えなくて宜しい」


 そんなやり取りをしていると、誰かが扉にノックをした。


「おーい、オルム。そろそろ起きろ。朝食だぞ」


 サイズの声だ。


「分かった。今、行く」


「おう。そう言えば、ガキんちょが見当たらないんだが知らねえか? 部屋にも居ねえんだ」


 あ。


「さ、さあな。俺も探すよ」


「まさかとは思うが、お前が自分の部屋に連れ込んでるとかねえだろうな?」


 大体、合ってます。


「な、ないない。用意が出来たら、行くから待っててく......」


 俺が言い終わる前にサイズは部屋の扉を無断で開けた。


「「「・・・・」」」


 ソフィアと俺の目がサイズの目と合った。


「お、おはようサイズ」


 俺は顔を引きつらせながら朝の挨拶をした。


「やっっぱり、連れ込んでんじゃねえかあああああっ! 穢らわしい!」


「其処まで言われるようなことやってねえよ!? ただ、一緒に寝ただけで......」


()()()()()!? うわうわうわうわうわあ!?」


「そう言う意味じゃねえよっ!?」


 誤解を解くのに20分は掛かった。



「だーかーらー、俺達はこの村の奥を探険したいんだよ!」


「そんな話は聞いていない! 暗い夜道を帰るのは難しいと貴様らが言うから一泊だけ泊めてやったのだろうが!」


 美味しい朝食を食べ、食後の紅茶を満喫しているとサイズとアデルの怒鳴り声が聞こえてきた。何事だろうか。


「どうしたんだ? サイズは」


 事情を知っていそうなエディアに聞いてみた。


「ほら、昨日サイズがソフィア君に耳打ちしていただろう? 此処に一晩泊まって森の奥地を探険したいって。あのことだよ」


「ああ、成る程」


 俺は納得とばかりに頷いた。俺とソフィアもこの森の奥地の調査をしなければいけないので、是非ともサイズには交渉を頑張ってもらいたい。


「おいオルム! お前もこの堅物に何か言ってやってくれ!」


 何故、其処で話を俺に振るのか分からないがサイズは俺の方を見てそういってきた。それにしても、堅物......ね。


「契約者、何故ソフィアを見るのでしょうか」


「や、何でもない。おい、アデル」


「何だオルム。貴様が何を言おうと私は......」


「魔 法 痕」


 難しい顔をするアデルに俺は笑顔でその単語の名前を言った。


「なっ......!」


「いや別に? 一泊させて貰ったから魔法痕を治療したことはチャラで良いんだけど? ほらさ、やっぱり人間様と違って聡明で心の綺麗なエルフ様の村長なら恩人の頼みなんだし? 少しくらい聞いてくれても良いんじゃないかな~......と思う訳ですよ」


「恩着せがましいな」


「そりゃ、俺は卑しい人間なので」


 アデルは俺の言葉に溜め息を吐いた。


「......まあ、何にせよ魔法痕のことを持ち出されると私は何も言えない。好きにすると良い」


「やったぜ。ありがとな」


 俺はアデルに礼を言うと、ソフィア達の元へ戻った。


「まあ、ざっとこんなもんだ」


「魔法痕の治療はソフィア君の手柄だけどね」


「いやまあ、其処は目を瞑ってくれ」


「兎に角、ナイスだオルム。早速、探険しに行こうぜ」


 そんな風に湧く俺達を見て、アデルが口を開いた。


「一応、警告しておくがあまり奥に行きすぎるなよ。奥に行けば行くほど燃やし神の魔力が強くなり、より致命的な魔法痕を負う可能性がある。もしかしたら、昨日のように治すことは出来ないかもしれない」


「それは、燃やし神の封印がこの村の奥に有るからか?」


 俺の言葉に彼は頷いた。


「ああ、彼の憎き龍はこの奥で結界によって封印されている。私も週に一度結界の様子を見に行っているのだが、日に日に結界から溢れ出る魔力の量が増えている気がするのだ。エルフがあの怪物と戦う日も近いかもしれん」


「燃やし神が封印を解く前にこの森から出るのは……」


「却下だ。此処は我々の先祖が長き旅の果てに辿り着いた安住の土地。手放したい者はこの村にはいない」


「人間側はキミ達を歓迎すると思うけど」


「......ふっ。どうだか」


 エディアの言葉をアデルは鼻で笑った。


「ま、エルフ達の事情に人間が首を突っ込んでも仕方ねえだろ。行くぞ」


 そして、サイズは酷くぶっきらぼうなことを言って屋敷を出ていったので俺達も続いてアデルに別れを告げて、屋敷を出ていった。アデルはああ言っていたが、ソフィアが何も言わないので、恐らく致命的な魔法痕を俺達が負ったとしても彼女は治療出来るのだろう。......治療されたいな。

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― 新着の感想 ―
[一言] 羞恥心が薄いのも良いけど、そこが育ってくると可愛さの威力が上がる
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