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幼馴染の妹の家庭教師をはじめたら  作者: すかいふぁーむ
疎遠だった幼馴染が怖い

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愛沙との距離

「おや、康貴くん」

「秋津か」

「康貴くんもトイレかー。一緒に行こう!」


 一切恥じらいなど感じさせないところが秋津らしいというかなんというか……。

 まあいいか。河原は時期によって花見客やバーベキュー客がよく来るから公衆トイレがあるんだが、河原の上の駐車場の方に向かわないと行けないから距離があるのだ。


「で、愛沙とはどんな感じ?」

「どんな感じって……見たまんまだぞ?」

「えー。もっとこう、なんかさ、ひと夏の思い出みたいなの、ないのっ⁉」


 どんな期待を持たれてるんだろう……。


「おっかしいなー。私の読みだともうチューくらいはしたかと思ってたのに」

「はぁっ⁉」

「あはっ。その反応はまだまだってことだなー」

「そう言っただろ!」


 ほんとに秋津は……。

 ただなんとなくまなみと同じ感じがするおかげか、こうして気兼ねなく話ができるのはありがたいところだった。

 なんだかんだ気も回してくれるしな。


「あっ! もう着いた!」

「話してるとあっという間だな」

「よーし。じゃあ帰りも待ち合わせはここで!」

「えっ」


 返事も待たず走り去る秋津。

 まあいいか。俺のほうが早いだろうけど待つことにしよう。


 ◇


「なんでもういるんだ」

「もー遅いよー、置いてかれたかと思っちゃったじゃん」


 あれ? 普通トイレって女子のほうが遅くないか……?

 俺もそんなに時間をロスしてなかったと思うんだけど……。


「さっ! 戻ろ戻ろー! はやく康貴くんを愛沙に返してあげないと」

「俺はいつから愛沙のものになったんだ……」

「ふふーん。あ、そうだ」


 突然立ち止まってこちらを振り返る秋津。


「ちゅー、したことないなら練習でもする?」

「馬鹿かっ!」

「あはっ。怒られたー」


 ほんとにまなみみたいなやつだな……。何を言い出すかわかったもんじゃない。

 軽く睨んでおくとちょっと反省した素振りは見せたが、すぐにケロッとしてこんなことを言い出した。


「まあさ、私のは冗談にしても、早くしないと愛沙のほうは奪われちゃうかもしれないよね」


 それは……ありうるか。

 愛沙はあれだけ魅力がある。今の俺はただの幼馴染で……いやただの幼馴染ではないにしたって、それ以上ではない。

 何があったところでなにも言えないのか。


「おっ。そんな顔しちゃうってことは結構本気なんだねー」


 秋津の言葉でハッと我に返る。

 しまった……。


「うるさい」

「あはっ。まあほら、早く戻ろ」

「そうだな……あ、そうだ」

「ん?」


 ちょっと意趣返しだ。


「秋津はそういう相手、いないのか?」

「えっ⁉ 私っ⁉ えっ、えーっと……い、いないよ?」


 下手くそか!

 目が泳ぎまくってるじゃないか。


「まあ誰かは聞かないでおくけど……秋津なら相手も喜んでくれるんじゃないか?」

「ふふ。口説き上手だなぁ。康貴くんは」

「いや……」

「まっ、私よりはそっちが早そうだね」

「どうだろうな」


 愛沙との距離を考える。

 縮まったのか、元に戻っていってるだけなのか。

 そして愛沙がどんな方向を目指しているのか、自信が持てないところだった。



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― 新着の感想 ―
[一言] 康貴は昔っから愛沙のものでしょうが! 逆もまた…w
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