第一話 【出会った無能な女の子。】
ちょっと会話とかを多めにしました。
前の書き方の方がいいという方がいれば、
調節します!(。-`ω´-)
と、そんなこんなで異世界に転生してしまった男__カイリは、現在ギルド探し__否、人並みに揉まれて街を流されている最中である。
──歩いて見て思ったが、やはり街並みはラノベの通りの世界観だ、、そうなんだけど……。
「思いっきり文字も、言葉も日本語なのは、許せねぇなぁ。ここはもっと『異世界語を学ぶ』とか『女神から言葉認識できるようにしてもらう』とか、もっとイベント踏ませてくれよ……」
街並みだけは一丁前で、ほか見てみればギャップが凄くて残念な気持ちを隠しきれないカイリだが、カイリの残念はこれだけに留まらない。
──まず第一に【能力】結局これがどうなったか、が問題だ。
「前世で最も印象に残った出来事が能力に変化する、か。そんなの考えるだけでゾッとするが、11歳にして引きこもった俺にとって最も印象に残った出来事といえば………やっぱり『アレ』、なのか…?イテッ…!?」
「おい、兄ちゃん…どこ見て歩いてんだい?」
──おいおい、これはまさか最初の能力発動イベントか?
と、期待と不安が入り交じっているカイリだが、それよりも、この世界にもモヒカンという概念が存在していたことに大変ビックリしているのだった。
──って、こんなこと考えている場合じゃねぇ!とりあえず相手の観察だ。体格は見るからに俺の2倍はある…って、こんなんちゃんと見てても肩ぶつかるレベルだろ…。もしかして…ホントにあの能力を使わなきゃいけねぇのか?確証はないけど、多分『あの全く不名誉なあの能力』を……
「なぁに、急に考え込んだような顔して?別に、悪いことはしねぇよ。次から気をつけな、ここの街は意外と治安はいいが他だと殺されかねねぇからな。
ま、頑張れよ。おかしな服の兄ちゃん」
「は、はぁ。ありがとう、ございます…?」
そういってモヒカン男はカイリの目の前から静かにさっていったのだが……
「また俺はイベント踏ませてもらえねぇのかよォォー!!」
カイリの悲痛な叫びが、どこかも分からない異世界の街中に響き渡るのだった。
◆
時は遡ること……いや、どれだけ遡ればいいかさえも分からない。そんなある時、平凡な村のある家に小さな子供がこの世に生を受けた。元気に産まれたその子は、スクスクと育ちその子は静かに両親と生涯をとげる、はずだった。
どこで間違えたか、誰が間違えたか、母か、父か、それより前か、この世界の……『神』による暇潰しなのか。その間違いは一人の少女には、重すぎる亀裂であった。
2日後、村は
【壊滅していた。】
そのか弱き少女を誰もがこう呼んだ……
【魔王】と。
◆
そんなこんな(?)で、またも街流ししている、ギルド探し中の男__カイリ。あのモヒカン事件から5分近く流されているわけだが……。
──ん?なんだあの子。ちょっと……
黒髪ショートで、美少女系というより可愛い系で目の中に輝く茶色の綺麗な瞳。道のはしで、あたふたした様子で人に声をかけようとしているようだった。それだけでも、控えめな性格だと分かる。確かにカイリのどストライクである、がカイリが目をつけたのには別の理由があった。
「ねぇ、君。どしたの?」
──なかなか紳士的にふるまえたのではなかろうか。俺にしては出来過ぎた対応の仕方だな。だてに恋愛ゲームやってきた訳じゃねぇからな。
「え、えぇ。じ、実は…み、道に迷ってしまって。
あ、あの『ギルド』に行きたいん、です…」
「へ?」
こんな子から『ギルド』という単語が出たのに、驚きを隠せなかったカイリだが、「魔物とかがでる世界だ、そんなもんか」と納得することにした。
──それにしても、目的地が一緒なのは好都合だ。1人で探すより、2人で探す方が効率が良いからな。うん、そうだ。決してやましい思いがあるとかじゃない、決して!そんな訳では無い。
「そ、そうなのか。ちょうど俺もギルドに行くところだったんだけど、君と同じで迷っちゃって。」
「そ、そうなんですか!じゃあ良かったら一緒に探しませんか?」
──よし来た!いや、別に嬉しがってないから。
……ホントだよ?
「お、おう!よろしくな…えっーと、?」
「あ、私は『タァーファン・シン・プペ』。ファンとでもお呼びください。」
「そうか、ファンか。俺は『サノ・カイリ』だ。先に名乗らせて悪かったな、こういう時は男から名乗るもんだ」
「いえ、お気になさらず」
やっと異世界らしくなってきた展開に、カイリは心踊らせながら2人で街の中を歩いていくのだった。
「……あの」
「ねぇ…」
《まず、こっちの道で合って〈ます〉る?》
方向音痴が二人揃うと、こうなる。