ゲーム以外全否定男
俺はゲームが大好きだ。
ゲーム業界はオンラインが活性化し、e-sportsなんてゲームの世界大会まで開かれてる。
俺に風が吹いている。ゲームばっかりの人生は正しかった。
競馬?何が面白いん?最後負けるだけやん。興味ねぇ
パチンコ?うるさいだけやん、副流煙なって死ぬやん。興味ねぇ
映画?フィクションやし、美男美女しか成功せえへんやん。興味ねぇ
野球?才能ある奴が動き回って、試合後女子アナ抱いてるだけやん。興味ねぇ
サッカー?野球と同じやん。ワザと転けて何が楽しいん?興味ねぇ
釣り?早起きしんどい。興味ねぇ
色んな人の趣味を否定して来た男はゲーム好きの人としかつるまなかった。
しかし、ゲーム好きの人からも嫌われていた。
ゲームと野球が好きだったり、ゲームと競馬が好きだったり。
そんなもう1つの好きな物を否定されるのは相手も気分が悪かった。
そんなだからオフ会でも男は1発で嫌われた。
ある日、男は事故で死んだ。
周りの人らから
「あいつ、死んだらしいで。ほらっ、あの鬱陶しい奴」
「興味ねぇ君、死んだんや。興味ねぇ」
「フフッ。お前、不謹慎やぞ(笑)」
「あいつと喋ってたらゲーム以外全否定やからしんどかった」
「ゲームの話も自分の考えと違うかったら怒るやろ。ウザかったわぁ」
「あいつ死んだんや。へぇ」
「お前どうでもよさそうやな(笑)」
日頃、人の趣味を「興味ねぇ」と全否定した男は死んで笑われた。
やった!ゲームの世界だ!
死んだ男の前には見覚えのある風景が広がっていた。
とあるRPGゲームの村である。主人公目線で村を見たらこんな感じなんだ!
男が感動していると武器屋のおっさんに声をかけられた。
「おいっ!お前はこっちだ!」
武器屋に連れて行かれ、店番を任された。
たまに来る客に対応すると怒られた。
「いらっしゃい!良い武器揃ってるよ!
以外言うな!」
「えっ?」
「お前ゲームの武器屋が世間話してないやろ!」
「はぁ…」
「だからそれ以外言うな!言ったら地獄行きだ!」
「いつまでここで働くんですか?」
「お前何歳で死んだ?」
「30です」
「じゃあ30年!」
「えぇぇぇぇ〜!」
ゲームが好きな嫌われ者はモブキャラとして30年ゲームの世界で生きる事になった。
視野の広いオタクは素晴らしい
狭いオタクは最低だ