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第五話 村への道中

お待たせしました!第五話です!

誤字、脱字があるかと思いますが、楽しんでいただければ幸いです!

 青い空の下、俺とアリエスは空中飛行を楽しんでいた。

 やはり異世界は空気が綺麗でいい。元の世界は排気ガスやらPM2・5やらの不純物でまともに空を飛ぼうなんて思わなかった。しかしこの空はどこまでも澄み渡って見える。森の中からはわからなかったが、俺たちがいた森は相当広かったらしく雲と同じ高さまで上がっていても、森の端がようやく見える程だ。

 俺の腕に抱かれているかわいい生き物、アリエスは目を輝かせながら俺に注文を出してきた。


「ねえ、ねえ!ハクにぃ!さっきのやつもう一回やってよ!あの、ぐるーってなるやつ!」


「おう、いいぞ」


 そう言うと俺は軽く上昇しまるで戦闘機のように旋回しながら何度も前宙する。さながら空中ジェットコースターだ。小さい子はこういう絶叫系は苦手かと思っていたが、さすが異世界っ子、肝が据わっている。

 それにこんな美少女に強請られたら断れるわけもないでしょ!

 もうまじで異世界最高!こんなことならもっと早く呼び寄せてくださいよ、俺を転移させた誰かさん!


『もう主様、自分を変態と認めたらどうじゃ?』


 何をいまさら。俺は即答する。


『ああいいとも!アリエスの笑顔を眺められるなら、変態でも何でもかまわん!』


『……。もう何も言わんのじゃ……』


 という冗談はさておき、少し気になったことがあったのでアリエスに聞いてみることにした。


「なあアリエス。この世界には空を飛べるやつっていないのか?」


「うん?この世界っていうのがよくわからないけど、一応飛べる種族はいるよ、天翼族とか吸血鬼とか。でも滅多に姿を現さないの。特に天翼族は秘境に篭って出てこないらしいの。一生かかっても会えるか会えないか五分五分なんだって」


「ふーん、そうなのか……。それにしても吸血鬼ねえ……」


 話題の中心であった天翼族のことをそっちのけで吸血鬼のことを考えてしまう。

 実は俺は吸血鬼に相当縁があったりする。真話大戦の最中に自分の傷を治すために伝承上最強の吸血鬼を身に降ろしたのだ。俺自身も最初から神妃の力があったわけではないし、半身がもがれれば即死だっただろう。

 まあそれだけ相手が強力だったのだが。


『むう、あやつは面倒だったのう……。なにせ性格が最悪じゃ。仮にも女神を名乗るのならもう少し御しとやかでもいいじゃろうに……』


 それ、お前が言います?

 あなたも相当暴れていましたよ……本当に。なんか「くたばれ下種どもが!」とか言って空間に穴を開けたのは誰でしたかね?


『そ、それは忘れてほしいのじゃ……』


 頭の中でリアがいきなりモジモジし始めた。一応脳内でも俺とリアはいわば一心同体なので姿は視認できる。

ん?なかなか見られない反応だな。ひょっとしてお前もかわいい系ですか?

うん、あとでいじってやろう。なんか面白そうだし。


「ハクにぃ、吸血鬼がどうかしたの?」


「あ、ああ。いや天翼族はわかるんだけど吸血鬼って一体どうやって飛ぶのかなと思ってな」


 天翼族はその名前のとおりおそらく翼で飛ぶのだろう。いわゆる天使みたいな。


「うーん、私も実際に見たことがあるわけじゃないけれど、噂では魔力で浮くことが出来るんだって。だから飛ぶっていうより浮遊してるって感じが強いのかも」


 魔力ね……。俺にもそんなものがあるのだろうか。

一応元の世界にも魔力の概念は存在した。しかしその魔力がこの世界の魔力と同じかと言われれば眉唾ものだ。できることならこの世界における魔法とか魔術も使ってみたいものだ。


「んじゃ、そろそろアリエスの村に行くとしますか。アリエス、村の方角はどっちだ?」


「えっとね、ここからだとずっと東かな。かなり距離があるけど、ハクにぃなら一瞬でついちゃうよ!」


「了解。しっかり掴まってろよ!」


 そう言うと俺はアリエスを落とさないように抱いて東の方角に進みだした。

 本来、飛行というのは空気抵抗が強すぎて人は目も開けてられないが、そこは俺が周囲の空気を操っているので問題ない。

 目的地に着くまで何も話さないというのは退屈させるだろうと思い、もう一つ気になっていたことを聞いてみることにした。


「なあ、アリエス。お前のその肩に乗ってるオカリナだっけ?そいつがいれば拉致犯にも抵抗できたんじゃないのか?」


 俺がそう問いかけると、瞬間アリエスの表情が暗くなった。


「……それは出来ないの」


「どうしてだ?仮にも氷の精霊なんだろう?」


「この子は私が口から話しかけないと反応してくれないの。それに私はまだ……未熟だからこの子の力を十分に使えない……」


 なるほど、そういうことか。確かにアリエスが捕まっていたときは口に縄が巻かれていた。あれではろくに喋ることもできないだろう。

 またアリエスの口ぶりから察するに、精霊の力を使うにしても熟練度?のようなものがあるらしい。アリエスが語る言葉には悔しさがにじみ出ていた。


「気にすることはないさ。むしろ俺からしたら精霊の力を使えるなんて夢のような話だぞ。存分に誇っていい」


 すると暗かったアリエスの表情が少しだけ明るくなった。


「ありがとう。ハクにぃは優しいね。こんな私のために……」

 そうアリエスが何かを言いかけたとき、俺の目は前方鎮座している巨大なものを捉えていた。


「ん?あれは何だ?洞窟のように見えるが、なんか人が群がっているぞ」


「ああ、あれはダンジョンだよ。私の村から一番近くにあるダンジョンで「第一ダンジョン」っていうんだよ」


 なんと!ダンジョンなんてものまであるのかこの世界は。

 これは本格的にわくわくしてきたぜ!


「多分あそこにいる人たちは冒険者の人たちだと思う。ダンジョンには強い魔物が出るからそれを倒しに行って鍛えるんだよ」


「へえー冒険者か。俺もなってみようかな……」


「ハクにぃがまだ冒険者じゃないことに驚きなんだけど、私の村にも冒険者ギルドがあるから行ってみるといいよ!」


「そうか、それじゃ行ってみるよ」


「うん!」


 そして俺たちはまたしばらく空中を進んだ。下には森や湖、小さな村らしきものが見られたが、やはり元の世界の文化とは大きく異なるようだ。

 まあ異世界だし車やビルなんてなくて当然なのだが。


「あ、見えてきたよ!あれが私の村なの!」


 すると地平線上にうっすらと建物の塊のようなものが見え始めた。

 うん?建物の塊?

 おいおい、まてよ。村っていったらむき出しの木で作られた家とか藁の小屋とかもっと質素なものじゃありませんかね?

 今俺の目の前に見えているものは、城壁まではないまでも賑わいを感じさせる中世ヨーロッパ風の建物で………。

 っておい!どこが村やねん!

 ばりばり街でしょ、あれ!むしろ王都と言われても信じますよ、はい。


「な、なあアリエス……。あれ村なんだよな?ちょいと村にしては大きすぎませんかね?」


「ん?そうだけど。どこもみんなこんなもんだよ?」


 はあ、さいで。

 どうやら俺は認識を改めないといけないらしい。

 このお嬢様は常識知らずだ。

 いや、だって!

 飛んでるときに下に見えた村らしきものはもっと小さかったですよ?

 この目の前にある村もどきが世界標準なんて間違ってる!

 確かにさっきの質素な村らしきものがイレギュラーな可能性もなくはないが、今はアリエスが飛んだ勘違いをしていると信じたい……。

 でないと「世界は不条理だー!」って言葉がいたるところから湧きそうだし。デモとかもおきるかも……。

 とはいえようやくついたのだ。とりあえずアリエスをこの村に返して、俺は宿を確保する。それを実行に移せる。

 さてあんまり人目がないところに降りないとな。見つかると面倒くさそうだし……。


『なあ主様、さすがにその格好で大衆の前に行くのはどうかと思うぞ?』


 む、そう言われれば。

 確かにひどい格好である。半そでTシャツに短パンそれに素足だ。これではどこかの品のないガキだと思われてしまう。テスト勉強中に引きずり込まれたのだが仕方ないといえば仕方ないのだが、とはいえこのままではだめだろう。

 そしてそれはアリエスも同じだ。アリエスは短く白いワンピースと赤いスカートを穿いているが素材はいいものの、いたるところが擦り切れぼろぼろになってしまっている。

 んじゃまあ着替えるとしますかね。

 ん?なに?アリエスの着替えを覗くのかって?

 いやいやまさか。そこまで変態じゃありませんとも。

 そこはサクッと神妃の能力で着替えさせちゃいますよ。何つったって神妃の能力は万能だからね!


「あー、アリエス。村に戻る前に一つプレゼントがある。ちょっと動くなよ?」


「え?」


 瞬間、アリエスの体が光りだす。次の瞬間アリエスの服は今までと違うものに変化していた。

 白を基調とした長めのワンピースに水色のリボンを多量にあしらい、一見すればドレスにも見えなくもない服装になった。


「本当にハクにぃって何でも出来るんだね。この服凄くかわいい!ありがとう、ハクにぃ!」


 んじゃ、次は俺だ。俺の服装は大体決まっている。真話大戦の終盤はよくこの服に袖を通したものだ。

 俺の服は黒色の七分丈のズボンに黒のティーシャツ。その上から裾のほうを赤く染め上げた白のフード付ローブ。

 よしこれが俺のスタンダードだ。

 そして俺の見た目も若干変化する。真話大戦でリアと同化した際に少しではあるが俺の見た目も変化したのだ。黒髪の先端が全て淡いグラデーションのような金髪になり、瞳は両目ともに赤く染まった。さすがにもとの世界では目立ちすぎるので能力で隠していたのだが、この異世界ではそんな心配も要らないだろう。


「す、すごく変わったね、ハクにぃ。凄くかっこいいよ!……もしよければ村に戻った後いっしょにゴニョゴニョ……」


「ん?何か言ったか?」


「うぇ!?ううん!なんでもないよ!……ははは」


 なんだろアリエスの顔が妙に赤い気がするが気のせいか?

 うーんまあそれはそれとして、そろそろ降りよう。いつまでも空中に留まっていては一向に村に入れん。


「よし、アリエス。地上に降りるぞ。どこならあんまり目立たない?」


「えーと、それならあそこがいいかも……」


「了解。んじゃいくぞ」


 というわけで異世界に来て約二時間、とうとう初めての村に潜入できそうです。


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