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ソイルが修羅場っている頃、アシェリーが目を覚まし部屋の扉からひょっこりと顔を出していた。
「ソイルー、どこ行ったのよー」
起きた時に、彼はすでに部屋にいなかった。
廊下の様子を見ているこの状態で、5分は経っているだろう。
「一人にしないでよ。バカ」
アシェリーはじっとしているのが不安になったのか、着替えてゼノンとビルマの部屋まで行くことにした。
ソイルが先に挨拶しに行ってるかもしれないと思ったのだ。
昨晩訪れた部屋へ足早に向かい、トントンとドアをノックする。
しばらくすると、部屋の中からまったく生気の感じられない返事が返ってきた。
「・・・はーぃ・・・」
それを聞いて、アシェリーは脱力した。
中にいるのは、仮にも軍人だろうに。
コツコツとブーツの音が聞こえ、時々壁にぶつかるような鈍い音がし、それと同時に「っんだよ、壁・・・ちくしょ」という不満の声が聞こえる。
そんな部屋から出てきたのは、青白い顔をしたビルマだったのだが・・・
「ぅわ!!」
バタン!!
「ちょ、ちょっと!
何で締めるんですか!?
まだ挨拶もしてませんけど!」
ビルマはアシェリーを確認すると、すぐさま部屋に逆戻りしてしまった。
「あーけーてーくーだーさーい!!」
突然部屋のドアを閉められたアシェリーは、何度もドアを叩いて抗議の声をあげた。
今思いつくソイルの居場所の手がかりがここしかないのに、ビルマに話がきけないなんて!
というか、女性にむかって「ぅわ!!」はないだろう!とアシェリーは腹を立ててたりする。
「どうして開けてくれないんですか!?
私、何かあなたにしました!?
夜中に、急遽部屋をお借りしたのはお詫びしますけど・・・顔を見て『ぅわ!!』なんて、そんな失礼なことされる覚えないんですけど!」
私、結構もてるんだからね!と意味のわからない台詞を彼女が最期に添えると、ビルマが弱々しく反論してきた。
「・・・今ちょっと、ゼノンさんがいないんで引き返してください。
俺一人じゃ無理なんで・・・ホント」
一人じゃまともに対応できないってか!?
「ちょっとお伺いしたいことがあるだけなんです!開けてください!」
「ホント、無理なんです!腹減って!!」
は?
どうしたらそんなくだらない理由が浮かぶのか。
「こーんな近くにいたら・・・ダメ、ダメダメ。
どっか遠くに行ってください!
死にたくないでしょ!?」
意味わかんない!と、アシェリーの怒りは爆発。
「もう結構です!
お邪魔しましたっ!」
アシェリーがビルマの部屋を後にし、自室へ戻ろうとズカズカと廊下を歩きだした時、イヴンとソイルのやりとりはまだ続いていた。
「『最期を迎える者への慈悲』、ですか。
普通、そう捉えるのかな。
申し訳ないことをしました」
床に膝をついて顎に手を当てたポーズのイヴン。
まさかソイルがこう捉えいるとは思わず、自分が心労を与えてしまったことに素直に謝罪した。
地位の高い自分は、行動や言葉に常に気を配らなければならない。
「私は、あなたに処罰、ましてや死刑など与える気はサラサラないので、安心してください。
反対に、アシェリーさんにこれからもずっと付いていてもらいたいと思っていますよ?
ですから、土下座なんてする必要はありません」
そう言って、土下座中の彼の肩を掴んだのだがまだ顔をあげない。
「ガーディアンに危害を加えた者は、即死刑という決まりのはずです」
目の前にいるソイルという青年は、己のとった行動を重く受け止め、責任をとろうとしている。
イヴンは、こういう責任感の強い人物が大好きである。
「ソイルさんの行動は、正当防衛です。
アシェリーさんのために立ち向かったのでしょう?
なら、何を咎めればいいんでしょうね。
配慮のいたらなかった俺・・・といったところでしょうか」
「ぇ・・・いや、しかし」
「ソイルさんはとても真面目で、誠実な方なんですね。
昨日のことは、俺たち以外誰も見ていませんから大丈夫です。
三人の秘密ということで納得していただけませんか?」
三人の秘密って・・・。
まさかガーディアンがこんなことを言うとは思わず、ソイルはチラッと相手の表情を伺った。
それに気が付いたイヴンは、なぜか少し悲しそうな笑顔を返してきた。
「俺は誰かに処罰を与えられるような立派な人間じゃないんです。
魔法貴族の名と、師匠の弟子であるということで名前が一人歩きして、実際は国民のために何もできていないし、周りの方々に助けられてばかりで・・・。
ですから、気にせずに」
実力でガーディアンになって、魔本封印の旅までしている奴が何を言っているのやら。
こいつは貴族らしからぬ、貴族で・・・嫌いではないとソイルは思った。
「さぁ、こちらの席にどうぞ!
コーヒーをご一緒しましょう」
イヴンは、立ち上がってソイルに椅子を勧め、彼もそれに応えた。
一方、アシェリーが部屋の前に戻ると、そこには金色の髪を腰まで伸ばした少女が立っていた。
「え、あれって。
金髪って・・・」
アシェリーは内心慌てふためいた。
なぜか部屋の前でノーザンの姫が待ち伏せしてる!
しかも、自分を発見すると笑顔で小走りしてきた。
「あ、あの!
少し、お尋ねしたいのですが、こちらの部屋をお使いになっている方をご存知ですか?
どうもいっらしゃらないようで、困っているのです」
私です。
「その部屋をお借りしたのは、私です。
テオティ様」
部屋の前で待ち伏せをしていたのだから、何かお咎めがあるのだろう。
アシェリーは冷や汗をかきながらテオティに視線を送った。
すると、テオティがぱっとはじけるような笑顔を向けてきた。
「まぁ!あなただったのですか!
気が付かなくてすみません!
おはようございます♪」
ちょこんと膝をおったお辞儀をされた上に、いまさら挨拶?
少しこけそうになりながらも、アシェリーは挨拶を返し、姫をちらっと観察した。
確認できたことは、ポワポワしてて愛されオーラだしてることと、一つ一つの動作が小動物みたいに可愛いこと。
ノーザン王が冷徹非道と名高いのに、姫はこんななのか。
アシェリーはもっと高慢な女を想像していたため拍子抜けした。
だが、礼儀は尽くさねばならない。
「昨晩は、国の資金でお取りしてあったお部屋をお借りしてしまい申し訳ございませんでした。
私、アシェリー=クレイスと申します」
姫と同じように膝を折って謝罪をすると、その姫がものすごく良いことを聞いたかのような満面の笑みを見せた。
「『アシェリーさん』とてもかわいらしいお名前ですね♪」
イヴン=シャリオンと同じこと言ったよ。
「国の資金は民のためにあるものなので、謝る必要などありません。
よく眠れましたか?」
小首をかしげて問う様がとても愛らしいと、女の視点から見ても思ってしまった。
この姫は世間話をしにわざわざ部屋を訪れたのだろうか?まったく話の意図がわからない。
「お部屋はとても快適で、大変助かりました」
アシェリーがそう言ってまた膝を軽く折ると、テオティが「そうですか」と愛想よく笑った。
そして、おそらく本題だと思われる話に入った。
「これからどうなさるのですか?
ご実家にお帰りに?
確か、クレイス家は第二首都にお屋敷がありますよね・・・セオドルより遠いですね。
兵を数名お付けしましょうか?」
ものすごく親身なのはうれしいのだが、アシェリーはそこらへんにいる普通の貴族の娘。
そんな奴に姫直属の兵を貸すって、どれだけ気前がいいんだ!と思わずツッコミたくなる。
「い、いいえ!
心配には及びません。
実家には帰らず、今はイースティックの首都ルディーンを目指しますので」
傭兵は雇えないが、あと街を二つ三つ越えた場所にあるところへなら、二人で無事に行けるだろう。
実は、アシェリーは魔法銃が使える。
魔法学校を中退こそしたが、ちゃんと戦えたりするのだ。
ソイルも、犬になれば悪魔の気配をキャッチできて、なんとか悪魔をかわしていけるはず。
昨日はてんでダメダメだったが。
だが、テオティはそんなことも知らずに、また「いいことをききました!」という反応を見せた。
「まぁ!ルディーンでしたら私たちも行くんですよ!
あ!よければご一緒しませんか?」
「えぇ!?
いえ、あの、そんな、ご迷惑をおかけしてしまいますので」
「そんなことありません!きっと楽しいですよ!」
楽しいってなんだ!楽しいって!!
『は!!
まさか、監視!?
ルディーンで罰を受けるの!?
ソイルがガーディアンに噛み付いたから、このままバイバーイ☆なんてできないじゃない!』
こうした考えの下にアシェリーは混乱しているのだが、テオティはそんなことにも気が付かづに「ぜひ、そうしましょう!」と彼女の手を握ってきた。
「い、いえいえ、あの、でも」
断る理由が思いつかず、ただただ後ずさりするアシェリー。
その反応を見たテオティは、握った手を離し、悲しそうな表情を浮かべた。
「あ・・・何か不都合がおありでしょうか。
でしたら、無理にとは」
ほっとしたのも束の間、アシェリーはさらに焦った。
姫が瞬く間に泣きそうな顔になっていくではないか!
なんでこれくらいで!?(テオティは、アシェリーを友人三号にしたかった)
「いえ、あの、不都合なことはありません。
ただ、テオティ様とイヴン=シャリオン様は、魔本封印という大事な使命の下に旅をなさっているので、そのお邪魔はできないと」
しどろもどろ言葉を紡ぎながら姫の様子を見ると、彼女の表情は翳ってはいるが、泣くまでにはいたらないところまで回復していた。
「では、私がご一緒してもアシェリーさんにご迷惑はかからないですか?」
これも昨晩のイヴン=シャリオンと一緒。
どんだけへりくだるんだ!!
しかも、小首をかしげてたずねるんじゃない!可愛いんだから!
以上のような葛藤を心の中で繰り広げたアシェリーは、テオティが泣かないようにコクコクと頷いてみせた。
アシェリーがしきりに頷いたため、テオティは機嫌を良くし、また手を握ってきた。
「では、イヴンさんにご一緒してもいいか聞いてみましょう♪」
えぇー!!
と、アシェリーが内心で叫んでいることも露知らず、テオティは繋いだ手を引っ張って、イヴンの部屋まで歩き出した。
そして、一時間後―
「なんでこうなったの!?
いいの?少しの間だけど、私たちがこんな旅に同行して??」
借りている部屋にて、アシェリーは頭を抱えて混乱していた。
それに対して、召使である青年が軽く相槌をうつ。
「いいんじゃないですか?
姫様とガーディアン様からの提案なんですから。
いやぁ、僕としては頼りないガンマンと二人旅にならなくてほっとしてますがね」
「それ、私のこと!?」
「他に誰が?」
今まさに乱闘が始まりそうなのだが、以上の会話でわかった通り、昨晩偶然にもイヴンに助けられた二人は、今日から姫様御一行とイースティックの首都ルディーンまで旅を同行することになったのだ。
一時間前、テオティに連れられてイヴンの部屋を訪れたアシェリーだったのだが、そこになんと召使のソイルもおり、優雅にコーヒーなんかすすってたりした。
しかも、テオティが先に本題を切り出す前に、イヴンの方から「今、ソイルくんにも話したんですが、ルディーンまでご一緒しませんか?二人じゃ危険ですし!」とふってきたりして驚きものである。
姫とガーディアンからの総攻撃(?)のおかげで、二人は半強制的に同行するはめとなったのだった。
朝食・準備を済ませた姫一行メンバーは、各自宿の前に集まりつつあった。
まだ来ていないのは、アシェリーとソイルである。
そして、この待ち時間の間に、何やら不穏な動きをしている者がいた。
「えぇ。
二人が付いて来ることになりました。
ふふ、余計なことはしませんよ。ご心配なく。
・・・わかりました。
気づかせればいいんですね」
イヴンとテオティ、そしてメアリの目を盗んで意味不明なやり取りをしているのは、ゼノンとビルマだった。
だが、会話をしているのはゼノンだけで、ビルマはその会話を聞いているのみ。
誰か第三者がいるわけでもなく、相手の声だけが聞こえているようだ。
「ゼノンさん、どなたかと通信ですか?」
不意に背後から問いかけてきたのは、仕えるべきテオティだった。
ゼノンは驚きもせずに、いつもの笑顔で彼女の問いに答える。
「はい。お二人が付いて来ることをミラさんに報告していたのです。
あ、噂をすればですね」
ゼノンがそう言いながら宿の入り口を指差すと、何やら言い争いをする男女が出てきた。
「特に準備するものもないのに、化粧だけでどれだけ時間とるんですか」
「はぁ!?男のあんたにはわかんないだろうけどね、テオティ様に貸してもらった今日の化粧品は超高級品なのよ!
今度、いつ使えるかわかんないんだから、楽しんだっていいじゃない!」
「ケバイ」
「なにぃ!?
もっと気の利いたこと言いなさいよ!」
「皆さんには言いづらい真実を言ってあげてるのだから、すごく気が利いてると思いますけどね★」
軽口を叩く召使の襟を掴んで、アシェリーはガクガクと彼の体を揺らし、激怒している。
そして、後ろから聞こえた次の言葉で振り返った。
「あの赤いおねぇちゃんと、おにいちゃんも一緒に来るの?」
「うん。ミレトスのいるルディーンまで一緒にいくんだ。
アシェリーさんとソイルさんだよ。
仲良くするんだよ」
声の主は、白い手袋をしたイヴンと手を繋いで立っていた猫の獣人である少女だった。
その子の身長は彼の腰より少し上。
そのあたりから好奇心旺盛な瞳を向け、アシェリーが顔をそちらに向けると同時にパッと笑った。
「こんにちはー!」
イヴンと手を繋いだまま、メアリは元気よくお辞儀をしてくる。
「なに!かわい~♪こんにちは~」
アシェリーはメアリの前にかがんで頭を数回なで、お互いに自己紹介を交わした。
そして、メアリが二人を確認するように指差して名前を呼ぶ。
「アシェリーちゃんと、ソイル!」
これに対してアシェリーは「そうそう♪偉いね~♪仲良くしてね」と気を良くしたが、その後ろでソイルだけ首を傾げた。
「なんで呼び捨て?」
どうしてガーディアンや姫が『さん』付けをしているのに、平民である自分と同じ身分のこの少女は呼び捨てにするのか。
「なんで僕だけ呼び捨て?
ちょっと、ねぇ、なんでです?」
聞こえなかったのか彼の質問に答える者はおらず、一行はこの街をあとにした。
小さな街を出てみると、先に見える道は今までの行程と違い、ノーザン領土内だということを忘れるほど陥没部分が多く、緑が減っていた。
「はぁ、歩きずらそう」
まだ歩いてもいないのに、思わず不満を漏らしたアシェリー。
それをゼノンが嗜める。
「クレイス嬢、そんなに嘆くことはありません。
道の陥没、緑の減少、そしてついには道がなくなり雪原が見えてくる。
これは、我々が順調にイースティックに近づいている証拠です」
そう、ノーザンの隣接しているイースティックは一年中真冬の雪大国なのだ。
だから、道など整備しても、悪魔に荒らされる前に雪に埋もれる始末であり、道しるべはところどろに立てられている赤い旗しかない。
旅は進むにつれて今より過酷になるということではないか。嘆かずにはいられない。
「あぁ、さいあ・・・ぁ・・・」
これからの行程を考えて、アシェリーはさらに脱力しかけたのだが、目の前の光景に固まってしまった。
なんだこの状況は、と目をパチパチさせていると、脇からソイルがコソコソと核心を突くセリフを言ってくれた。
「腕なんか組んじゃって、テオティ様とシャリオン様は、デキてるんですかねー?」
二人の目の前では、イヴンの腕にテオティが引っ付いている。
「ままマジで?え?
ちょ、ちょっと、メアリちゃん!
あの二人はどういう関係なの?
デキてんの!?」
「??
イヴーン!『デキてる』ってなにー?」
意味のわからない単語を聞いたため、メアリは本人達に変な質問をしてしまった。
イヴンだけは質問の意味に感づき、大層慌てふためきはじめる。
「これは違います!
立派な理由があってですね!!」
テオティと腕を組んでいることの説明にイヴンは必死だ。
変な誤解は、姫に迷惑をかけてしまう。
というか、そう見られると恥ずかしい。
だが、理由を聞いてもアシェリーとソイルはあまり納得いかなかった。
まだ真っ直ぐ歩けないといっても、その格好はやはり誤解を招く。
しかも、腕に引っ付いているテオティの表情は、役に立てているということで幸せそうに微笑んでいるし。
お互い、まったく恋愛感情があって腕をくんでいるわけではないのに、彼女の表情でさらに誤解されるわけだ。
これはイカン。
そろそろ、自力でまっすぐ歩けるようにならなければ、変な噂がたってしまうかも。
「姫様、本日から自力で歩こうと思います。
お手を煩わせました」
イヴンが丁寧に自分の腕からテオティの手を避けたのだが、彼女はアシェリーやソイルの言っている周囲の目の意味がわかっておらず、キョトンとして手を離さなかった。
「どうして腕を組んではいけないのですか?
これから寒くなることですし、こうしている方が暖かいですよ」
やめてー!
他意はないにせよ、ひょいっとテオティはイヴンの腕に引っ付いてくる。
そりゃ、姫様は可愛いよ。
可愛いけど、恋愛とは違うから!違うぞ!
断じて違う!!
イヴンは自分にそう言い聞かせた。
まぁ、言い聞かせなくても、本当に恋愛感情なんてなかったのだが、アシェリーとソイルのせいで妙にあせってしまった。
「ひゅ~♪あっちぃなぁ!
今日は真夏だ真夏!
ぅあだぁ!!」
ビルマがわざとらしくふる台詞に、イヴンはまたたじろいだが、ゼノンによってその流れは断ち切られた。
つまり、またビルマは殴られた。
「さぁ、もう参りましょう。
あと三つ街を巡れば、その次がイースティック領土内です」
「はい!がんばりましょう!」
ガシっ!
いや、『ガシっ』じゃなくて。
テオティがまた腕に引っ付いてきた。
このことについては、困ったイヴンに変わり、ゼノンがいいように言いくるめてくれたため、二人はそれぞれ離れて歩くこととなったのだった。
この日は実に賑やかだった。
新たなメンバーが加わった道程は、いつもに増してメアリのはしゃぎ声が響き、遊び相手であるビルマと、新しく遊び相手となったソイルとアシェリーの楽しそうな声が重なって聞こえた。
たまに悪魔に遭遇して、アシェリーが叫び声を上げていたが、テオティは悲鳴をあまり上げないので、それはそれで新鮮だったりする。
―そして夜。
今日は野宿となり、今はゼノンに呼び出された召使たちが野営の準備をしている最中だ。
そんな中イヴンは、アシェリーとソイルを月明かりのあたらない木の陰の方に呼びだした。
「呪いについてですが、普段どういったことが起こるのか詳しく教えていただいてもよろしいですか?
師匠にその詳細を話せば、何かわかるかもしれません」
アダムへの相談。それを提案してきたのはゼノンだった。




